東京生活その三

　いつが好機かとタイミングを計っていても、人生の信号が一斉に
青に変わることはない。そんな名言に、改めて覚悟の大切さを思う。

　稽古休みの土曜に難病の友人宅を、昔からの女優仲間で訪問。
昼前から夜８時過ぎまで長居してワイワイ飲みながら語り合った。
彼女は勿論ノンアルコールビール。
　日頃は同行した親友や他の仲間に彼女の世話を頼っている私
には有り難く、楽しく充実した時間だった。

　こんな風に土日の休みや稽古が早く終わった日には、色々雑事と
恩人回りなどをしている。

　水曜には東京時代の最後に長く住んでいたアパートの大家さん９４歳。
日曜日には20年通った日舞の師匠ご夫妻８３歳と７４歳を訪問しスッカリ
ご馳走になった。どの方も実にお元気で明るい。私は逆に励まされている。

大家さんの喜久ちゃん

　芝居の方はまあまあ順調に流れてきた。皆同程度に台詞が入ったので、
やっと楽しくなってきたように思う。ここまで二週間。正味10日で台本を
手離し、通しをするのは並大抵ではない。私は何とか迷惑にならぬよう
顔晴っている。

　明日は大家さんが富山から仕事で上京。無理言って数日間同居させて頂く
ことにした。こんな風に沢山の人に助けられ応援されて、私の今がある。