訃報

　雪のない冬は楽ではあるが「例年」という言葉が死語になった今、これからが怖い。
　今日も春の嵐のような突風で目が覚めた。

　いつ誰に起こっても不思議ではない事故や病気。
　中でも、親しい方の訃報だけは突然の喪失感と共に、取り返しのつかない後悔を含んで胸を灼く。

　もう一度あの笑顔を見たい、あれこれお話をしたい、すべきだった・・・。
　その思いが胸を苛（さいな）む。

　離れている友人達や家族と、直に逢って話せるのは今しかないとわかってはいる。

　電話やメールから感じたごく小さな変化が引っかかっていたりもする。

　だが、サッと逢いにゆくわけにもいかず、スケジュールを睨（にら）みながら、今日もパソコンの前で時が流れてゆく。

　これがやがて、一昨日訃報を聞いて愕然としたのと同じ後悔へ繋がるのだろう・・・。

　
　こういう時は可愛いくて清々する写真に限る。