老化もまたヨロシ

　明日18日からの（と、思っていた）伊勢行きを前に、土曜日に
戻れない場合も考えて期日前投票をし、JRのチケットを買いに行き、
その窓口で、「明後日18日乗車ですね」と言われた。えー！？

　「今日は？」「16日火曜日です」

　そう火曜日なのは知っていた。なのに明日は木曜日だと信じて、
荷物も用意し、またしても冷蔵庫の中を空にしていた・・・恐ろしい、
いや悍（おぞ）ましい・・・。

　ストレス？だとしてもである。ああ、もう一度若き日の、そうねぇ
独身に戻りたての30代後半に戻れるものなら戻りた~い！若き日の
私の複製が欲しい。

　しかし、
　IＰＳ細胞や遺伝子の配列解析の進歩やらで、前途ある患者さんが
助かるのは素晴らしいと思うが、これが人工的命への進化へ進むのは
いかがなものか。
　何度でも複製して甦り、人生をリセットできる時代になる頃には、
高額医療を受けられる金持ちだけが、美しく逞しく頭脳明晰な子孫を
遺伝子操作で生み出し、世の中を支配するのだろうか。貧困な層は
今より更に奴隷化してしまうのだろう、か？

　長い長い淘汰の歴史の末の突然変異による環境適合進化ではない
人工的進化は、何かが間違っている。病むのは、淘汰による進化を
生み出す大切なプロセス（経過）である。決して悪い事ではないはずだ。

　なぜなら、多種多様こそが生き残りの胎盤だから。
　「みんな違ってみんないい」は正しいのだ。そこからしか本当に強い
種の保存も、進化もない。

　病は決して無意味なものではなく、老化もまた病として受け入れよう。
物忘れも、死への恐怖も、若さへの絶望的な憧れもみな、自然に生きとし
生けるものの特権だ。

　不安に駆られ、ボケを正当化した夜・・・。