オリンピックが来る

　朝６時に起きてもやることが終わらない。DM書き、構成台本の組み直し
音楽編集、各種打ち合せ、稽古、稽古、稽古・・・。
　でも東京へ行く前とは全く違う自分が支えている。たとえ観客が少なくとも
やり遂げたいという想いが支えている。一つ一つ積み上げて、きっとその日
最善のステージにしてみせる、という強い想いが支えている。

　オリンピック招致が決まった。整備事業と再稼働が始まれば、今福島原発
で危険な作業を最低賃金割れでしている方たちは、ドッとそっちへ流れ出す
だろう。

　彼らの人権の為にもそれは止められない。首相発言のせいで政府がどんなに
復興優先を叫んでも、物理的に復興は遅れ始め、オリンピックへ向けて福島は
臭いもの扱いになるのではないだろうか。それとも世界はそんなに甘くない？

　オリンピック・・・かつては私の夢でもあったし、今も自国での開催には
喝采したいのだ。しかし、それに向かって英知を集め復興最優先で一致団結
して、日本人の底力を世界に見せよう、というスローガンは、底辺を支える
労働者と原発の実態をあまりに知らなさ過ぎるのではないか。
　心意気だけではどうにもならない現実を受け止めねば、先へは進めない。

　猿が狂い、猪が狂い、それ以前に人が狂っている。
　どうか東京オリンピックが、スローガンに少しでも近づけるきっかけ、
原発行政と事故の実態を、多くの方が本当に知るきっかけになりますように。


我が家の野良：シロちゃんは、狂わず定時にお出ましして餌を待つ