明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

船橋の夜

2019-04-24 22:29:47 | スポーツ・ゴルフ
昨日は友達のSY氏とH氏を誘ってゴルフ練習会を開催した。場所は柏から東武アーバンクライン線に乗って行く「とある練習場」である。ここは最近リニューアルして綺麗になり、最大230ヤードの広さと、100・150・180・200ヤードの表示があって打ちやすい。貸しボール代は100球1500円と、私のいつも行っている双伸ゴルフ練習場より3倍高い。座席はふかふかのソファが各打席に付いていてボールは自動ティーアップで便利だが、我々貧乏性の人間は設備の豪華さよりボール代のほうが重要である。だがまあいい、今日は練習と言うよりは飲み会が中心だから、軽く運動してアルコールがさらに旨くなるのを期待しよう。

で、SY氏は相変わらず「MAXの振り」で、ドライバーからショートアイアンまでブリブリ飛ばしている。本人曰く、「年だから飛距離が落ちるのは仕方がないよ」だそうだが、言葉の端端からは、何とか1ヤードでも飛ばしたいという願望がモロに見えて、まだまだ諦めてはいない感じが頼もしかった。彼も私と同級生で70歳目前である。そういえば駅から練習場までの車の中で、大腸がん検査を2回やったとか胃カメラを飲んだとかの話で盛り上がった。年寄りが集まって話すことと言えば病気の話というのは「年寄りあるある」である。幸い私は脳梗塞で半身不随状態から復活してきて今やゴルフが出来るまで回復したので、交通事故とかで寝たきりにならなくて本当に良かったとしみじみ思った。この年になると喋れないだけで、他は何処も痛くないというのは「実は健康」なんだと思えてくる。

閑話休題、20球ほど打って身体をほぐした頃合いを見計らって、H氏のスイングを改造することにした。H氏のスイングはお世辞にも流麗とは言えないスイングで、打ち終わった後、明治の大砲からは脱却しているがまだ「右手の力任せ」の所が残っていて、インパクト・ゾーンが短い感じである。軌道も左足に乗らずに動くので左に引っ掛けたりフェースが開いてスライスしたりと安定しない。飛距離は我々より年が数年若く、剣道仕込みの豪腕で飛ばすのだが、「安定」という点で100を切れずに悩んでいる状況である。スイングを直しさえすれば仲間内では一番伸びしろがあると睨んでいるので、いつしか「私が教え魔」に成りはしないかと逆に心配になるくらいだ。まあ、この辺が年寄りゴルファーの陥りやすい「お節介」と言うクセだね。

そこでまず、インパクトの形をハンドファーストに直した。と同時にフェースが極端に被って構えていたので、角度をスクェアに戻してあげたのだが、本人は半信半疑だったみたいである。これ、スライスを嫌がるアマチュアが必ずやるミスですね。これをやる限り、良い当たりをすると「今度はド引掛けを誘発し」て、ニッチモサッチモいかなくなる。100を切るには、これを直さなくてはいけないのだ。そして腰の回転が真ん中で止まっていたので、もっと左へ切るように直したところ、案の定「スイングがめちゃくちゃ」になった、なんのこっちゃ!。一遍に直そうとするのはご法度ですね。それでまず、腰の位置をダウンスイングで左に移動することを教えて、効果を見ることにしたら3、4球打つと良い当たりが出て、「なるほど〜」と彼が言ったので、続けて「バックスイングが浅いので、もっと深く左肩を右足の前まで引く」ように指導。これで何とか格好がついてきた。

彼はダウンスイングで身体が開いてしまい、インパクトまで「ねじれ」を維持できないので、どうしても身体の力が使えなくて「腕の振り」に頼った手打ちになってしまう。まあ、ちょっと教えてすぐ出来るほどゴルフは甘くない。今日はそれくらいにしてバンカー練習をすることにした。バンカー・アプローチの練習場は30分700円で流石にバカ高い。バンカーは本格的なものだったが、砂がフカフカ過ぎて難しくて余り練習にならなかった。ツアーレベルのバンカーかも知れないが、我々が行くコースではまずお目にかからないバンカーなので、ちょっと高級すぎたかも。アプローチもグリーンが小さかったので役には立たず、「お金のムダ」になってしまった。これは初石ゴルフ場のほうが数段良いんじゃないだろうか。時間になったのでバンカーを後にし、いざ船橋へと繰り出した。

船橋は柏なんかと比べると格段に大きい町で、飲み屋の数も半端ない。今夜は「きさらず」という日本酒の品揃えが売りの店で飲む事にした。客は余り入っていなくて、逆に「静かで落ち着いた店」と言う印象である。私は「鳳凰美田・陸奥八仙・東一・ばくれん」と4杯飲む。「ばくれん」は「くどき上手」の亀の井酒蔵の酒で、辛口というので飲んでみたがイマイチであった。SY氏は「楯の川」を飲んで絶賛していて、近頃は新潟系の淡麗辛口に飽きたらしく、「濃醇旨口」にはまっているとのこと。楯の川は私も飲んで見たが、それほど濃醇でもなく、どちらかと言えば淡麗の方に感じたので感覚的なものかもしれない。H氏もSY氏も4、5杯飲んでだいぶ調子が上がってきたが、私は相当酔っ払ってしまってフラフラだった。したたかに飲んでスイング理論などかませながら談笑してお開きにし、外に出て駅に向かったら、H氏は帰ったのにSY氏がカラオケに行こう!と言い出して、いそいそとBIG・ECHOに入ってしまったのである!。おやおや。

いつもはゴルフの帰りの飲み会に誘われると必ず寝てしまうSY氏が今夜は俄然「元気リンリン」にマイクを握ったのには、私は内心ビックリした。今日は随分と張り切ってるねぇ。で、選んだ曲が「スパイダーズの井上順とか、かまやつとか」・・・。中学校の卒業以来エレキバンドを組んで「ベンチャーズやビートルズ路線」を一路ひた走りに走ってきた私の仲間が、この期に及んでスパイダーズとは!?

私のキョトンとした顔を尻目にジャンジャン選曲するSY氏は、途中私がビートルズを掛けると「それに合わせてシー・ラブズ・ユー」を熱唱する。そして何曲かビートルズを歌いまくった後は又しても「スパイダーズ」に戻るのだった。私は微笑ましくなって、烏龍茶をグイッとのんだ。彼は本当は、スパイダーズが好きなんだな・・・。

そんなこんなで11時まで歌い続け、船橋の夜は盛大に更けていく。

それから電車で柏まで帰ったが、途中電車の中で驚きの事実を発見した。友人のIK氏と同じくガラケー使いのSY氏が、なんと「スマホを持っていた」のである。「あれー、それどーしたの?」と聞いたら、前のが壊れてしまって「いい機会」だから替えたんだ、とのたまう。そーだろう、そーでなくちゃいけない、ウンウン。ところがよく聞くと「奥さんはいまだにケータイを持って無くて、家の固定電話しかない」らしいのだ。それで全く困らないという。いったい「何を意地になっているんだ?」と私が疑問を投げかけると、SY氏はなんやかんやと言い訳をして話が続かない。酔っぱらい同時の言い争いと見た隣の若い人は、とっとと席を替えていった・・・。

いい加減にスマホ買ってやれよ!、と思うのだが、奥さん自身は全然「気にならない」みたいである。SY氏のところはB型同士の結婚らしいが、妙な所で世間とズレてるのがBなのかも。かく言う私もB型だが、流石にこの選択は理解できなかった。今ひとつスッキリしない思いで柏に着いたが、「理解できないことは誰にでもある」と妙に納得しながら家に帰ったのであった。B型というのは、良くも悪くも他人に左右されない人種みたいである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿