動物のメスがオスを受け入れるタイミングは難しい。メスの方で体の受け入れ準備が必要だからみたいですね。ライオンの場合は、群れのメスの受け入れ準備が整うのがマチマチなので、オスは体力を消耗し痩せてしまうそうだ。メスは準備が整うと、しつこくついて回っていたオスに(あるいはお気に入りのオスに)すり寄り「準備ができたわよ。」という合図を送る。ライオンの場合は、群れの中でオスは数匹います。だから日頃からメスはオスをよく見ています。オスの力関係も知っているはずです。
メスはオスよりも早く先を歩き、長距離歩き続けます。オスが最後まで無事についてきてゴールまで行けば結ばれます。途中で挫折すれば、ほかのオスも狙っていますから、そこでほかのオスがついていきます。このオスを試すライオンのメスのしたたかさは、珍しい例だそうです。結ばれた後、他のメスも受け入れ準備が整い合図を受けると、オスはまた長距離の旅を始めます。これを繰り返しやせ細るということです。
多くの生物は、繁殖期にオスがメスに群がり、我先にと争うのが一般的です。昔から私は種の存続のために強いオスがメスと結ばれると思ってきましたが、体がそういうことになるように仕向けていると考えを改めるようになりました。我先にメスを追いかけて絶えずそばに居ようとするオスたち。抜きんでて長時間メスに見てもらうことができたオスが受け入れてもらいやすいようだ。
メスの脳の中の神経細胞ーニューロン(GnRH3)が作用しているようです。メスがオスの姿を見続けると、ニューロンが活性化してきて、ドキドキして特別なオスに思えるようになり受け入れるらしい。強いオスは他のオスを退けてメスの視界にいつも入っているために、メスは受け入れる。メスたちは強いオスが常に視界に入るから、多くのメスが受け入れ準備OKとなる。つまり強いオスは人気者だ。
結ばれた後に、オキシトシン(愛情ホルモン)が活性化する生き物は一夫一妻で過ごすことになる。
人間のお見合いを考えてみる。まず写真を見てお見合いをすることを決断する時点でかなり意識してお互いの写真の顔を見ている。そして、お見合いの場面でも通常の異性と接触する感覚とは違う特別の感情をもってお互いの顔を見る。人間の場合はそれ以外に収入とか趣味とか多くの条件が必要になるのだけど・・・。人間も基本的に同じなのかな?
人間は結ばれた後、子供ができるまで女性ホルモンが分泌されオキシトシンも活性化して幸せなラブラブな生活を送りますが、子供が生まれてからしばらくして離婚する率が高くなっています。これは、夫婦2人で生活している人たちに多いようです。子育てに不安で物理的に手助けがない大変な状況に、女性ホルモンは急激に分泌量が減り、オキシトシンが攻撃性を持つようになるからのようです。そうです。オキシトシンは2面性があるのです。(集団で子育てを助け合ってきたDNAも関係していると思います。)男性がこのことを事前に理解しておけば離婚も減るかもしれません。