「日本から台湾の世界遺産登録を応援する会」の会合が午後に後楽園の文京シビックセンターであったので、行ってきました。
この会は懇意にさせて頂いているジャーナリストの平野久美子先生が発起人となって、今現在一般社団法人の認可申請をして承認待ちをしているところです。今日はまず平野先生がなぜこの会を発足させたのか、台湾には世界遺産にできるような地域としてどのようなものがあるのか、これからどのように活動を進めていくのかなどが話されました。その後、辛正仁事務局長から映像による補足説明などがなされ質疑応答となりました。
私は死んだ父が台湾人だったこともあり、ここ数年、台湾に関してとても興味を持ち始めており、映画を観たり(『海角7号』『父の初七日』『セデック・バレ』『台湾アイデンティティ』)、台湾に旅行したり、台湾語を学び始めたりしています。
また、昔から美しい自然景観が好きだったこともあって台湾の風光明媚な地域を知るにつれ将来そこを訪れたい、その際に現地の人と台湾語で話したいなどと考えていました。
そこへ、台湾には世界遺産に登録されてしかるべき素晴らしい自然遺産や文化遺産が遺されているのに、それらが登録されていないということを知り、それらをぜひ遺したいと思ってこの集まりに参加してみたのです。
ここで皆さんにクエスチョンしたいと思います。
問い:台湾に世界遺産はいくつあるでしょうか?
答え:驚くべきことに1つもありません!
解説:なぜ台湾には世界遺産が一つもないのか?それは台湾が国連から国として承認されていないので世界遺産の審査さえ受け付けてもらえないからです。
実は台湾には自然遺産、文化遺産と呼べる素晴らしい地域、場所、建物などがたくさんあるのです。しかし1971年の国連総会で中華人民共和国を中国の唯一の正当な政府とすることが決議され、非情にも台湾は国連およびほとんどの国連の専門機関(ユネスコを含む)から追放される形になってしまったのです。
世界遺産はユネスコ加盟国でないと直接申請できない現実があります。ですので現在の台湾には認定された世界遺産がないのです。
・世界遺産の概念は、「武力紛争の際にも文化財などに対する破壊行為を行うべきではない」とされたハーグ条約に由来すると言われています。世界遺産条約には「人類が共有すべき顕著な普遍的価値を持つ遺跡、景観、自然など」と定義されています。つまり国を超えて人類の共通の宝を守り、後世の子孫たちに伝えることが目的なのですから本来政治やイデオロギーは関係ないはずです。
・なぜ日本から台湾の世界遺産登録を応援するのでしょうか?
台湾は2002年より日本のICOMOS(国際記念物遺跡会議)関係者などの協力を得て、18か所の世界遺産候補地を選定し、ユネスコに対しても再三働きかけてきました。しかし政治的な壁は厚く実現への道程は厳しいと言わざるを得ません。そこで台湾は国連加盟国でもあり、良き友人である隣国、日本の力を求めているのです。ましてや烏山頭(うざんとう)ダムや阿里山の森林鉄道など世界遺産候補地の多くは日本に深く関わる文化財でもあるのです。
311東日本大震災に対する台湾からの義援金は200億円を超しています。世界中からの義援金を合計した金額(確か145億円だったでしょうか?)よりもはるかに多い額を一国から頂いているのです。さらに言えばこの寄付の9割は民間からのものでした。企業からとか政府からの寄付ではありません。民間の人々からの寄付でした。台湾の人口は2000万人くらいと言われていますから台湾の国民一人当たりに換算すれば1000円の義援金を送ってくださったことになります。これは大変なことではないでしょうか?
いろいろ政治的なこともあると思いますが、私は台湾が好きであり、その台湾の自然を守ることをただしたいと思い、会の趣旨に賛同して参加してみました。
今後は私なりに台湾の情報を発信していこうと思います。
もし、ご興味がありましたら下記のサイトを訪ねて見てください。
〒167-0053
東京都杉並区西荻南2-25-4-201
(この文章は日本から台湾の世界遺産登録を応援する会発行のパンフレットを参考にさせて頂きました)
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