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列車はマンチェスターピカデリーに到着しました
「さて、自分のスーツケースを取り出さなきゃ」
他の荷物を気遣いながら下の方から何とか取り出すことが出来ました。
ホームに降りようとスーツケースを両手で持ち上げて降りかけた時です
そのスーツケースを、これから乗車するおじさまが受け取ってホームに置いてくださいました。
「サンキュー」
咄嗟のことで驚きながらお礼を言うと、笑顔で答えてくれるおじさま
ヨーロッパに来ると、いつもみなさん知らない同士でも手を貸して助けてくれる場面に遭遇するんですよ
こちらが頼んでいる訳ではないのに、すぐに気が付いて気を利かせてくださいます。
「こんなところも心のゆとりかなあ」
ぐずぐずしていると「チッ」なんて声が聞こえて来そうな日本。
日本では電車が1分も遅れることのない正確さを誇っていますね。
「その分他人に迷惑を掛けてはいけない気持ちが大きく働くものね。」
「自分が乗車してきた車両も撮影しておかなきゃ」
スーツケースが動かないように抑えながら、前方や正面や乗車してきた列車の撮影をしています。
すると駅員さんが私に話しかけてきました
『鉄道が好きなの』
“本当は特別鉄道マニアじゃないんだけど、英語の会話は出来ないしなあ。。。”
“よし 好きなことにしておいちゃおう”
「イエス」
イギリスの鉄道は歴史があって魅力的だから、マニアの方が観光に来ても不思議じゃないですよね。
『どこから来たの』
「日本から来ました」
駅員さんは日本から来たと伝えると笑顔で答えてくれました。
『イギリスの列車は古いよ~ 日本の列車は綺麗でしょ』
“確かに古いけど、その分趣もあるし、何よりのんびりした雰囲気がいいです”
心で思ったことをちゃんと伝えたかったけれど、そんな会話は出来ません
“心の中でそんな返事をしておこう”
笑顔で話しかけてくれた駅員さんも優しいなあ。
駅員さんには私が『鉄道女子』に見えたのかな
ホテルは前回宿泊したことのあるホテルです。
巨大なマンチェスターピカデリー駅のタクシー乗り場も利用経験があるのでスムーズ
タクシー乗り場からホテルに向かいます。
「チェックインは14時からだけど午前中に到着しちゃった」
「14時までスーツケースを預けて、街でランチでも食べようかな」
フロントで予約表を見せてスーツケースを預かってと伝えます。
「わあ ホント」もうチェックインが出来るって言ってくれたみたい。
「お部屋の準備が出来ているんですね。」
「ラッキー」
チェックインしてお部屋に向かうと、今回は奥の方の部屋のようです。
前回は壁に窓がなくて天窓だけの部屋でした。
「そう言えば、今回は窓のことを聞かれなかったなあ。」
「『窓が欲しい』と言うつもりでいたんだけど」
「ちゃんと意識している時に限って聞かれないのよね」
番号に沿って歩くと、部屋は一番奥です。
中に入ると一番奥なだけあって大きな窓があって明るい部屋でした。
「わあ 角部屋だから明るい」
「もしかしたら窓が無い部屋になりそうな時だけ確認するのかもね。」
荷物を置いて身軽になって、早速イヴの街に出て行くことにします。
続く