
例年に比べ寒いとか温かいとか直ぐに人間は自然を評価する。
人よりも偉大な力で、開花を約束し裏切らない花に感謝したい。

昨年の桜の時期は首の手術を数日後に控え、死の影におびえていた。
一年後、頸椎髄内腫瘍が破裂してしまったり呼吸器等に障害が出る危険は去った。
頸椎を包んでいる硬膜は厄介な性格がある。
頸椎は脳と直結していて頸椎の中も頭がい骨の内側も髄液(透明な粘りのある体液)で満たされている。
これにより脳は中空に浮いてる状態を保っている。
この髄液が漏れ出て脳の血管が癒着し死ぬことを防ぐため硬膜はすぐに塞がる性質があるのだ。
外傷でも名医のメスでも硬膜のその性質は変わらない。
主治医は死の危険と呼吸・循環などの基幹の神経を傷をつけることなく戦ってくれた。
神業の速さで最善の手術を成功させたが腫瘍の大きさのまま硬膜が塞がって固まったのだ。
そのため、手術前から続く絶え間ない強烈な痛みと左の手足のマヒは去ることが今後も無いだろう。
去ることの無い痛みを極力他人事のように考えて耐えた。
よく一年耐えた。
次の桜まで耐えられるか分からないが自分の体は脱ぐことが出来ない。
桜は闘病の一里塚・・・











おにぎり三個とわづかなおかずを持って
午後の光に成るまで最愛の人と花と過ごす時間は
リリカ(鎮痛剤)1000mgに匹敵する。
写真を見てくださってありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。



