《落日菴執事の記》 会津八一の学芸の世界へ

和歌・書・東洋美術史研究と多方面に活躍した学藝人・ 会津八一(1881-1956)に関する情報等を発信。

「秋艸」47号

2019年04月01日 | 日記

「秋艸」47号が届いた。早速読んでいる。

 

 

「秋艸」(しゅうそう)は、新潟市會津八一記念館の「友の会」のような位置付けである「秋艸会」が年2回発行している会報。

47号所収のおもな記事のタイトルと著者名を紹介する。(敬称略)

〇表紙解説「武者小路実篤の個展芳名録」 岡村鉄琴(新潟大教授)

〇「興福寺歌碑の思い出」 上村光司(秋艸会会長)

〇「中金堂落慶と「仏の庭」」 多川俊映(興福寺管主)

〇「八一初歌碑のはずが戦後建立」

〇「八一を知る 八一がわかる」

〇「生誕百二十年 天才・山田正平の小宇宙」

〇「會津八一 書の魅力」野中吟雪(新潟大学名誉教授)

〇「雁魚来往6について」 角田勝久(新潟大准教授)

〇「武藤師が八一歌を演奏講話」(第63回秋艸道人忌の報告)

〇「ご仏前で箏を演奏し語り終えて」武藤祥圃(山田流筝曲家)

〇「會津八一の歌を映す 第12回写真コンテスト」

〇「會津八一の歌を映すとは」 神林恒道(會津八一記念館館長)

〇「會津八一の歌を映す」 新見靖子(秋艸会香川支部)

〇「書を再現する 開催報告(早大会博主催シンポジウム)」 徳泉さち(同博物館助手)

〇「いつもフレッシュ 私の八一体験」 高村壽一

〇「會津八一先生の学芸に触れた50年の歳月」 和田博一

〇「中条會津八一会の歩みについて」 今村克治

〇「かまづかの会に入会して」 大石利明

 今号で感動したのは、和田博一氏の文章だ。

氏は奈良の大学の図書館に長く勤め、また八一の熱心な読者であったが、病気により視力を失われたという。しかし音声編集された八一の著作を聴き、「生きる勇気をもらった気がした」と述懐される。まさに人生の課題として、八一を読んでこられた方の文章だ。飯の種ではなく、自分の生き死にをかけて、八一の文学に取り組む。そういう方の書く文章は、読む人の胸を打つ。

八一の解釈に命をかけた人は、吉野秀雄、西世古柳平、喜多上、この3人だと思っていたが、和田氏もこれらの先達に並ぶ方なのだろう。

病苦にあった氏を再び勇気づけたのは、八一の芸術が、人を喚起する力を持つ本物のそれだからに違いない。

「秋艸」は、充実した内容で驚く。読むたびに、未見の情報を教えられるので大変勉強になる。

お読みになりたい方は、ファックスか郵便で秋艸会に問い合わせを。

一部500円。

950-0088

新潟市中央区万代3-1-1 メディアシップ5

新潟市會津八一記念館内秋艸会事務局

FAX.0252827614


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