《落日菴執事の記》 会津八一の学芸の世界へ

和歌・書・東洋美術史研究と多方面に活躍した学藝人・ 会津八一(1881-1956)に関する情報等を発信。

よひのなごりのなほたかくとも 逆境を乗り越えるために

2021年01月29日 | 日記



ふなびとは
はやこぎいでよ
ふきあれし
よひのなごりの
なほたかくとも


昭和28年、會津八一も召人として歌会始の儀に出ている。お題は、船出。

船人は、はやく漕ぎ出しなさい、前夜吹き荒れた名残の波がまだ高いけれどもーと、八一は戦後の復興に励む日本人と、戦時中一切の蔵書と骨董品、そして娘を亡くした自らを励ます。

新型コロナウイルスに苦しむ日々が続くが、冒頭の八一の歌を今一度思い出して、自らを励ましたいと思う。