北京の冬の名物に凍柿子(トンスーズ)というデザートがある。冬のはじめに赤く熟しはじめた柿を窓の外に並べておくと、北京の冬は夜の冷え込みが厳しいので、あっという間に凍りついてしまう。日中になると陽のあたるところは溶けて柔かくなる。毎日少しずつ柿を回して位置をずらし、まんべんなく凍結と解凍を繰り返すと、やがて全体がトロトロに完熟した柿になり、渋味はまったくなくなる。寒い北京の冬は、暖房で温かい部屋で羊肉火鍋(ヤンロウフォークオ)を食べ、その後に食べる凍柿子は、まるで天然のシャーベットだ。熱性の羊肉を食べた後に、寒性の柿を食するのは、バランスのよい絶品のデザートである。
…胡老師の大好きな食べ物でもある。…
食物本草歳時記ーかき より
…胡老師の大好きな食べ物でもある。…
食物本草歳時記ーかき より