(久保田万太郎)
…・・万太郎は芭蕉も蕪村も「あが仏」とせず、人の余り認めぬ炭太祇を発見して喜んだ。
……・
……・太祇の句に、
川の香のほのかに東風の渡りけり
堀川や家の下ゆく春の川
来ると早や往き来数ある燕かな
萩吹くや燃ゆる浅間の荒れ残り
この日常語の、こまかな神経の通う使い振りに、万太郎は会得するところが多かったろうと私は思う。
「鴎外荷風万太郎」小島政二郎著 彩古書房
富翁
…・・万太郎は芭蕉も蕪村も「あが仏」とせず、人の余り認めぬ炭太祇を発見して喜んだ。
……・
……・太祇の句に、
川の香のほのかに東風の渡りけり
堀川や家の下ゆく春の川
来ると早や往き来数ある燕かな
萩吹くや燃ゆる浅間の荒れ残り
この日常語の、こまかな神経の通う使い振りに、万太郎は会得するところが多かったろうと私は思う。
「鴎外荷風万太郎」小島政二郎著 彩古書房
富翁