〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(22)

2016年01月20日 22時06分35秒 | mini essay
その夜母は私に木綿の筋糸で織った、紺地に赤絣のはいった着物を着せましたが、それは裏庭に繁る藍の葉を水をはったハンドー(甕)に入れて腐らせ、石灰をまぜて色を冴えさせたその藍汁に、芭蕉糸で絣を括った糸を入れて染めあげたものですから、藍の香が未だふくふくと匂っていました。また締めた赤い帯も母の手染めでした。今はもうなんという木だったか名前も忘れましたが、遠い南の国から黒潮に乗って島の浜辺に流れついた寄り木の木片を煮出した汁で、父のお古の白ちりめんの帯を染め直してつくってくれたのです。深く沈んだくれないの色が心に染みるようでした。
羽織は、三角に切った布切をつぎ合わせた綿入れの袖無しを着せられました。三角はハベラ(蝶)のかたどりで人間の魂だと言われていますので、おそらく母は三角を縫いこんだものを常日頃私に着せることで、お守りのつもりにしていたのでしょう。
「海辺の生と死」島尾ミホ著 中公文庫 1987年
                                     富翁
コメント
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やっと携帯、買いました

2016年01月20日 06時53分19秒 | 俳句
二週間前(?)あたりに紛失してしまって、不便していましたが、ようやく。
しっかし、複雑ですね、買い方が。あれじゃあ「お年寄り」の型は単独では買うのは不可能ですね。

無携帯 孤絶の感あり 時代なり
その昔 電話なぞなくとも へっちゃらちゃら
しかしです 孤老となると そうはいかん
安楽(気弱版) 
コメント (1)
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