〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(33)

2016年01月31日 22時12分55秒 | 専門書
私が診察したある癲癇の患者は、会社でコンピュータを扱う仕事をしていて、ある日「これを操作すればコンピュータの機能が一瞬のうちに停止してしまう装置」を発明したという男の訪問を受け、その話を聞いている最中に大発作を起こした。彼がいうには、その物騒な装置の説明を聞いているうちに、自分の扱っているコンピュータが現在すでに完全な麻痺状態になっているかのような気持ちに襲われて、その瞬間、意識を失ってしまったのだという。
…・・この患者の場合の未来との二重化においても、イントラ・フェストゥム(祭のさなか)的な意識における現在は、客観的時間軸上の過去や未来をも一挙に現在の直接的現前にひきずり込むという強大な吸引力をもっている。
*(祭のさなか)は引用者が挿入
「時間と自己」木村敏著 中公新書 1982年
                           富翁
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