のり巻き のりのり

飾り巻き寿司や料理、己書、読書など日々のあれこれを書いています



追憶の町

2016年12月22日 | 随想
年賀状はもう書き終えたでしょうか。
仕事を辞めてから、年賀状はぐっと減りました。

ずっと昔からの友人に無沙汰をわび、お互いの健康を願う程度の賀状になりました。
それでも師走は年賀状書きとともに過ぎていきます。

私が生まれ育った町の住所は、「○○市宝町(たからまち)40」ただそれだけでした。
書くのも読むのも簡単で、年賀状書きの時はらくちんらくちんとお気に入りだったのです。

今は町名変更でまったく違う地名で、区画も細かくなっています。
結婚してからは、大字小字と長ったらしくて年賀状を書くのが面倒でした。

知人の住所を見て笑ってしまったのが「○○市尻毛××」なんと読むでしょう。「しっけ」です。
「○○市狸穴××」「狐塚××」というのもありました。

どんなところか知りたくて、出かけてみたら、田畑はあるものの狸や狐が出そうな里山があるわけではありませんでした。
今もその地名は生きているのでしょうか。

ずっと昔の思い出です。

ゴム跳びをした路地、カンカンカンと電車が通る裏道、きれいなタイルを探した空き地、かくれんぼをした土管置き場、
やさしいおばあちゃんのいた家の庭、ソース焼きせんべいを食べた駄菓子屋、毎日通ったそろばん塾・・・・

「たからまち40」は今も、宝物として心の中で光彩を放っています。