回転寿司の日記

日常の身辺雑記を紹介

ドイツ参謀本部と菅直人

2011-04-11 08:47:07 | 政治
統一地方選挙終了

今日の読売新聞記事見出し

①大阪府議会で過半数「河村流」失速・・首長新党

②東電、清水社長経団連副会長辞任へ

③震災選挙、民主「敗北」・・岡田幹事長は辞任否定

④石原知事大差4選、民主「対決型」全敗

⑤維新の会、府議会過半数・・大阪、堺両市で第1党


昨日の各新聞社の論調を見てると、政府、首相官邸と各省庁間で
不協和音が出ていると思わせる記事が目につきました。
これらの記事を見て、渡部昇一の名著「ドイツ参謀本部」を思い出しました。
この本は、組織論、リーダーとそれを補佐するスタッフのあるべき姿を論じた著作と記憶します。

対象は19世紀のドイツ、政治家ビスマルクそして参謀本部を取り上げ、両者が各々計画を練る人、分析するする人、課題を見つける人、決断する人、見事に役割分担がはっきりし、組織が目標を達成する様を描いています。

この本では、参謀本部というシンクタンクというか専門家集団と意思決定をするリーダー(政治家)の車の両輪の活躍が組織の運営には不可分であり、どちらか一方が主導権をとっても目標達成はうまくいかないという
趣旨を述べていると思います。

うまくいかない例証として、第1次世界大戦時の政治家不在、第2次世界大戦時の参謀本部の進言を無視したヒトラーの横暴が挙げられています。

管さんの唱える「政治主導」とはそもそも、日本の現代の参謀本部である官僚機構を無視するもので、結果として国益を損なうのではないかと危惧します。


以下読売新聞記事引用ここから

官僚、首相の指導力に不満


東日本大震災から1ヶ月を機に、読売新聞は中央省庁幹部を対象に
政府の対応に関する聞き取り調査を行った。

調査結果からは、菅首相の指導力や危機管理能力に対する危機感が霞ヶ関
を覆っていることが浮き彫りとなった

「国難の時に、役人はいくらでも 仕事をしたいのに、役所や役人を信用していない」
消費者庁幹部は、内閣官房参与ら民間スタッフに意見を求め、官僚への不
信感を隠さない首相への不満を口にした。
「こういう時に『小泉(純一郎・元首相)待望論』が出る。こ の人になら命を預けてもいい、と思って仕事がしたい」と悔しがる幹部も いた。


東日本大震災への対応で、政府全体を指揮する「司令塔」が依然として 見えてこない。

 政府内には「本部」や「会議」が乱立気味のうえ、菅首相はブレーンと
して内閣官房参与を次々と任命するなど肥大化が続いている。菅首相がど
う指導力を発揮するのか、正念場となる。

 ◆「何の会議」◆

 「出席してても『これは何の会議だっけ』と思う」

 国土交通省幹部は震災以来、対策本部などの会議に忙殺される官僚の気
持ちをこう代弁した。

 震災から1か月後の今、政府内では、「会議が多過ぎる」「指揮系統や
役割分担がハッキリしない」など、「組織乱立」への不満が充満している。

各組織の構成や仕事の内容を整理するために政府が作成した内部資料は十数ページに及ぶ。

 対策本部は閣僚級だけで五つ。被災者受け入れ支援については、地震・
津波なら「被災者生活支援特別対策本部」、原発事故による退避なら「原
子力被災者生活支援チーム」に分かれる。省庁ごとの「縦割り」でなく、
複数省庁による「横割り」組織の乱立には、「責任の所在がわかりにくく
なり、かえって非効率だ」(政府筋)との指摘もある。

 ある経済官庁幹部は、「ナントカ会議が多すぎて政府全体の優先順位が
見えない。自民党政権時代は、党の部会で政治家同士が議論し合い、その
場で役人に指示があったので、政治家の問題意識が顕在化して動きやす
かった」と話す。民主党は、内閣と党の「政策決定の一元化」を掲げ、震
災対応も党より政府主導で進んでおり、意思決定プロセスがわかりにく
い。

 震災1か月となる11日を機に、首相はさらに有識者らによる「復興構
想会議」や閣僚級の「復興本部」(仮称)などを設置する方針だが、西岡
参院議長は7日の記者会見で「会議が踊っている」と酷評した。

 ◆参与膨張◆

 政府の責任の所在をさらに見えにくくしているのが、首相のブレーンと
なる内閣官房参与の存在だ。震災後、首相は6人を任命。現在は総勢15
人と過去最多だ。

 「あいつらは、正確な情報を伝えてこない。あいつらは、何か情報を隠
している」

 菅首相は、しばしば周辺に「あいつら」への疑心暗鬼をあらわにする。
東電や原子力安全・保安院、原子力安全委員会のことだ。首相は連日のよ
うに参与を呼んで「あいつらとは違う視点のセカンドオピニオンを得る」
のだという。このため、首相は参与との面会には官僚を同席させないこと
が多い。一部の参与は、東電にある統合本部にも詰め、日米両政府の連絡
調整会議にも出席。官僚からは「どういう権限で出席しているのか」との
不満が漏れる。

 そんな首相に先月27日に会った政治学者の山口二郎北大教授はこう伝
えた。

 「外部の専門家を使うのはいいが、情報がランダムに入ってくるだけで
は逆に混乱する」

 一方、参与側にも「個別の意見では採用されない」として、民間スタッ
フによる発言力を強めるための「参与会議」創設を模索する動きもあり、
政府内の意思決定ラインは複雑を極めている。(政治部 吉村隆平、鎌田
秀男)

(2011年4月10日14時53分 読売

引用ここまで


官邸機能せず、以上感想でした。

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