ATMの列で、財産袋をぶちまけてしまったおばちゃん。
おばちゃんの左横に銀行の通帳、右横にはドサとかジャラとかバサとか、賑やかに中味が落ちた風で。
その時の状況を思い出してみたら、
まず、通帳を落としたんですよ、そのおばちゃん。
それを拾おうとして、左に体をひねったら、全財産を入れてた入れ物の口を閉じていなかったらしく、
バラバラと落ちたというわけです。
私から見えたのは通帳だけで、おばちゃんは右横の落下物を拾い集めるのに必死。
そのおばちゃんの後ろに並んでたおばちゃんも、
アラララ、拾って上げたいけれど、お金のことだから、触るのも・・・と躊躇っている様子。
私だって、通帳を拾って上げたいけれど、通帳と雖もお金関連だし、
おばちゃんは、それを最初に落として、拾おうとはしたから、
通帳がそこに落ちているのは知っている。
最後に、落としたおばちゃんが気が付かないというか忘れたようなら、
知らせようと、様子をみていたの。
そしたら、どこからともなく、おっちゃんが来て、その通帳をワシリと掴んで、おばちゃんに。
おばちゃん、出されても、すぐには通帳を受け取るでもなく、もたもた。
余程、気が動転していた?
んで、私は無罪放免かと思ったんだけど、
なんか、視線を感じる!
とその視線がどこから来ているのかと思ったら、
通帳を拾ってやったおっちゃんが、じっと、こっちを見ているの!
最初は、ATMを使いたくて、人が減るのを待っているのかと思ったけど、
視線は私に?
あら、美人の私を見てる? んなわけないよ、じゃあその視線はなに?
と私も、そのおっちゃんをじろじろ。
それを繰り返したら、おっちゃん、いなくなったけど、
なんか、嫌な視線だったと気になって、考えてみたら、
あれは、落とし物を拾うのを手伝わない私を咎める視線!
まあ、あの状況ではそうかもしれんわ。
私と、もう一人の、他人のお金関連の落とした物を拾うのを躊躇ったおばちゃんの気持ちなんて、
あのおっちゃんには想像もできなかったかもしれん;
きっと、家に帰って、私のことをくそみそに言っているだろね。