とこの部屋

こんばんは。

夜も更けてから。

はぁ～～～～。かつて思い知ったこと、嫌な感情は記憶される、ということを再び味わう。


火曜日。留守電に伝言が入ってた。休憩時間に気がついた。姑、とこ からだった。

息子が警察に…、だから警察を探しているんだけど、誰も教えてくれないの


…何言ってるんだろう？　第一、声が弱弱しい。死にそうな声じゃん。
その電話に出ていたら、もう少しはっきりわかっただろうか。
折り返し電話をしてみるが出ない。録音された時間からは２時間ほど経過している。
夫に連絡すると、アパートへ行ってみる、との返事。
私が帰宅すると、何か所か思い当たるところを回って、最後にアパートに行ったら居たよ、少し変、とのこと。
行動や、誰かが入ってきているといったこと、過去の話。いつもの とこ じゃなかった。

水曜日。
私は会社を休んで、地域のケアセンターへ夫と行ってみた。
とこの部屋へ行く前に、少し情報を整理したかったのだ。介護認定は受けておいた方がいい。申し込みなどどうすればいいのか。
介護認定を受けるには、主治医の確認を得るので、書類に記入してよいか了承を得てほしいとのことだった。
幻視、幻聴などあるかもしれない、認知症の始まりかもしれない。
…夫も話してみて、情報を貰えたし、良かったと言ってくれた。

さて、とこの部屋へ、二人で訪れた。とても不安そうにしていた。寒い、寒いと。荷物を片づけなきゃ、もう時間がない、とも。
荷物は、もう片付けなくていいよ、あとはみんなやるから、と伝えた。
ここはエアコンが古いし、寒いから一緒にマンションへ行こうと連れ出した。。

木曜日。
私は会社へ。怒った夫が、とこのバッグを捨てたのだそうだ。バッグには大事な障害者手帳や、ペースメーカーの手帳が入っている。
帰宅したら大荒れなのでハラハラ。夫の話を聴く。疲れているのに、ごめんねと二人から言われるけど、それなら仲良くしてほしい。
しかし、とこの応え方は、理解しにくさ、話の進まなさがある。例えば、一緒に住みたいの？と問うと、「迷惑かけるから」と答える。
どっちなんじゃ！部屋に帰りたいの？には「鍵がひとつしかないから」と答える。はぐらかし、と名付ける。

金曜日。
夜、帰宅したら、とこが、明るい顔で、バッグ、あったのと言った。

日中とこはいつものように、地域のセンターにある入浴施設へ行ったようだ。
さっぱりしたみたいだけれど、夫から千円札を渡された際のやりとりが少し腹立たしかったのだろう。
アパートのあの部屋へ帰って、荷物を片づけなければ、私の荷物がと言いたてる。
「寒いの」という とこ のために、夫がセーターなど衣類をいくつか運んだそうだが、それを見ると、
「あぁ、これねぇ、いらないやつなのよねぇ」と言ったという。捨てるよというと、いや、あったかいのよ、と、言う。これを「天邪鬼」と名付ける。夫は他のところで実力行使に出たようだ。

土曜日。
とこ は、長年お世話になった、大好きなお友達に、お別れを言った。
私もついていった。お友達は、とこの表情がすっかり別人のようになってしまっていると言った。
とこは、気になっているいくつかをお友達に相談した。いい解決策を教えてもらったが、表情は明るくならなかった。
10月の来客時に、とても疲れてしまったことを告白した とこ。

私たちは、決断して、行動しなくちゃ。

とこが、安心して暮らせるように。

夫との苛烈なやりとりは、夫にも控えてもらわなくてはならないが、言い分もわかる。
とこには、時折、ひとをいらだたせるような物言いがあるので、そんな時には、そんなことを言ったら嫌だということを伝えなくては。
感情を伴った言い方になると、そのことだけが記憶に残る。認知が危ういのに、それは記憶するのだ。
そして、感情だけを記憶して、状況は忘れているから「ごめんね」が効かないかもしれない。

なんであの時けんかになったのかしら、と、とこは言った。
さぁ、ネガティブなこと言ってたからじゃない？
とにかく、とこには、元気になってもらわないと。

まだまだ、いろいろ出来ることあるもの。