先日、夫は病院へと向かった。
88歳の母を見舞いに。
最近はこの病院のどこかに息子が居て、時々現れると思っているような口ぶりだそうだ。
以前は夫が病室を訪れた時の最初の一言が「あら生きてたのね」だったが、「どこに行ってたの」になった。
それと、平成の最初に亡くなった夫の父についても「生きてるのよ」と言ってたそうだ。
元気が出てきたのかもしれない。
私はやっと忙しい時期が終わり、昨日今日で疲れも取れた。
休みを取って病院へお見舞いに行くつもり。
大学生の息子は、半年以上こじらせている足の指の腫れについて、毎晩包帯を変えている。
足の指が腫れたのは、爪を切っていて、巻き爪気味の親指の爪の端を無理に引きちぎったようで、出血したのを放置していたら細菌感染したのか、膿んで変色していたのだ。
毛細血管なんちゃら、という症名を言われたらしいが、尋ねても説明もできない体たらく。
私に似たのねぇ。
整形外科に行って、液体窒素で腫れあがった部分の処置をするようなのだが、先日、「あと三回くらい?」と言われたそうだ。
今は週に一度通院しているが、あと三週間で治るのだろうか?
まだうす赤い液体が漏れだしているようだけれど。
つい先ほどのこと、「包帯がない」などとこの深夜に言い出して、大きな包帯はあるが、手ごろな大きさの包帯がないと不満そうにいう。今までのはどうしたの?と尋ねれば、血まみれだから捨てたという。洗って使うのよ?というと、あんなに血まみれなのに、と返ってきた。
百歩譲って捨てていいとしよう、明日の分がないなら買って補充しなければと思わないのだろうか?
夫にも声を掛けたのが間違いであったと反省したが遅かった。
やりとりを聞いて、夫はテーブルをだん!だん!と叩き、呪いの言葉を吐く。
私が変わらなければ。
大きな包帯はあるのだから、今は手ごろな大きさに切って使用するという一択しかないのだ。
決断したらほかに(夫に)ダラダラと情報を流す必要はない。
知らなければ平和なのだ。
息子ならダラダラながら、ゆっくり大人になるだろう。
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