
旧社格「官幣大社」神社本庁「別表神社」の「諏訪大社」は、全国で一万社を超える「諏訪神社」の総本社で、「お諏訪さま」「諏訪大明神」ともよばれ、軍神・農耕神・狩猟神として信仰されてきたという。
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祭神は「建御名方神(たけみなかたのかみ)」と妃神「八坂刀売神(やさかとめのかみ)」で、兄神「八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)」が合祀される。
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旧「中山道」と旧「甲州街道」の分岐点に鎮まり坐す「下社秋宮(しもしゃあきみや)」は、諏訪市の「上社本宮(かみしゃほんみや)」、茅野市の「上社前宮(かみしゃまえみや)」、下諏訪町の「下社春宮(しもしゃはるみや)」とともに四ヶ所の「諏訪大社」のうちの一つで、社殿4棟が国の重要文化財に指定されているが、「上社前宮」以外には「本殿」がなく、「上社本宮」は「守屋山」をご神体、「下社秋宮」は櫟の木を、「下社春宮」は杉の木を御神木とする「諏訪造り」という独自様式の神社だ。
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由緒は、神話における「高天原(たかまがはら)」の神「天津神(あまつかみ)」が、「天孫降臨(てんそんこうりん)」以前から国土を治めていた「国津神(くにつかみ)」に、日本国土の古称「豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)」の「国譲り(くにゆずり)」を受ける説話で、「力競べ」に敗れた「建御名方神」が「州羽の海」に逃れたことに始まるとされ、治承年間(1177~1181年)の成立とされる「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」にもその名前が謡われている。
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日本三大奇祭の一つとされる七年に一度の「御柱祭」でも知られているが、毎年8月1日に催される例大祭の「御舟祭(おふねまつり)」は、御神体を柴舟に乗せて、「下社春宮」から「下社秋宮」へ遷座する祭で、2月1日には「下社秋宮」から「下社春宮」へ遷座される「遷座祭」が催される。
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JR中央本線「下諏訪駅」から約1km徒歩約15分の「下社秋宮」は、駐車場も整った参詣しやすい神社だが、「上社本宮」とはまた別の荘厳な趣を湛えていると言えるだろう。

