「中央アルプス」の峰々は雪解けが進んで、南信州「伊那谷」に雪形を愉しむ季節がやって来た。
木曽駒ヶ岳「島田娘」
木曽駒ヶ岳「種蒔き爺」
木曽駒ヶ岳「駒(馬)」
❖ 木曽駒ケ岳
「駒(馬)」の雪形が現れることなどで名付けられている「駒ヶ岳」は、全国に20峰以上あるという。
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ここ中央アルプス「木曽駒ケ岳」(標高2,956メートル)は、「木曽前岳」(標高2,826メートル)「中岳」(標高2,925メートル)「伊那前岳」(標高2,883メートル)「宝剣岳」(標高2,931メートル) を含めて「木曽駒ケ岳」と総称されることも多いが、雪解け期の「中岳」に「駒(馬)」が、「極楽平」南に「島田娘」と「種蒔き爺」の雪形が現れて、古くから農事暦として活用されて来たことは知られている。
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「島田髪」を結って左を向く「島田娘」は、「中央アルプス」を代表する雪形だ。
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籠から種を蒔く「種蒔き爺」は、人によって「稗蒔小僧」「盆踊り娘」などとも呼ばれているという。
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左下を向いて首とたてがみが続く「駒(馬)」だが、やや分かりにくいか。
南駒ヶ岳「五人坊主/五人坊」
南駒ヶ岳「稗蒔き女」
空木岳
❖ 南駒ケ岳
ここ中央アルプス「南駒ケ岳」(標高2,841メートル)は、「空木岳(うつぎだけ)」(標高2,864メートル)から「赤梛岳(あかなぎだけ)」(標高2,798メートル)を経て「越百山(こすもやま)」(標高2,614メートル)へ続く木曽山脈の主稜線上にあるが、雪解け期の東中腹には「稗蒔き女」が、「摺鉢窪カール」上部に「五人坊主/五人坊」の雪形が現れて、古くから農事暦として活用されて来たという。
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「南駒ケ岳」と「赤梛岳」を結ぶ稜線凹部の「摺鉢窪カール」(標高2,550~2,700メートル)上部に現れる横並びの五つの岩を、坊さんに見立てて「五人坊主/五人坊」と呼んでいるという。
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「稗蒔き女」は、「南駒ヶ岳」東中腹に現れる全身の島田髪女性の姿の雪形だ。
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「空木岳」は雪解け期の山頂の残雪が、「卯木(うつぎ)」の花に見立てられることから山名になったとも言われている。
❖ 雪形
「雪形」とは雪解け期、山肌と残雪によって生まれる模様を、駒(馬)や人に見立てたもので、その山の名前にちなむことも多いという。
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かつては農事暦として農作業の目安に用いられることも多かったというが、現在は気象予測などの発達によって農事暦としての役割は薄れている。
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「白馬岳(しろうまだけ)」(標高2,932メートル)の「代馬(代掻き馬)」や「爺ヶ岳(じいがたけ)」(標高2,670メートル)の「種蒔き爺さん」、「常念岳(じょうねんだけ)」(標高2,857メートル)の「常念坊(とっくりを手にした坊さん)」などが知られている。
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