山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

3日間のこと。

2010-10-10 23:43:12 | 企画2009~2015

かぐや【3】稽古
■10月8日(金)

村上君が「合格」した。来年の春は晴れてガっコのシェンンシェーだ。
この就職難の折、吉報が届いた時は飛びあがって喜んだよ。
彼との出会いは、私が武蔵中学演劇部へトレーニングコーチとして通い始めた頃だった。中坊2年だった。
今年で25だから14を引くと、かれこれ11年前になる。
高校へ上がると同時に劇団に入団して来た。まてよ、中3だった?。とにかく、10年だから一昔前からの長い付き合いになる。
女子セーラー服を着て舞台に立ったり、金髪のオケラ役、ツンツルテンの疫病患者にもなった。昨年はブラジルまで行って公演もした。

劇団夢桟敷に入団すると個性派俳優になると、絵に描いたような存在であった。

嬉しい。近い日に劇団で祝賀パーティーをする。熊大、笠戸丸にも呼び掛ける。集まろう。喜びは分かち合うものだ。



今日の稽古場は亀井公民館。この稽古場は長い。咲希が小学6年の頃から使わせてもらっている。14年間、「清水子ども劇団」で登録されているのである。実態は夢桟敷である。今は子どもではない。自治会長さんも公民館の管理人さんも承知の上。
一時期、清水小学校の子どもたちが集まって演劇活動をしていた歴史ある公民館。

今日の稽古は「かぐや」でも導入される夢野久作「ドグラマグラ」の一節より、「せりふ回し」トレーニングだった。

「黒(く)ウろい 黒(く)ウろい まっ黒い トットの眼玉食べたらば・・・」

長台詞を、身体微動だにせず吐く。決め台詞の押え方。言葉のリズム、等々を点検する。
咲希、肥後丸の「エロス」のコンビネーションと、男組みトリオ(コウタ、クドシン、マシマン)の「暴力」を見つめていた。

小劇場で足りないものがあります。
今、「エロスと暴力」が皆無なのであります。
日常の尺度でリアリズムを求めているようでは、精々、劇作家の「ほん」を伝えるだけのことでしかないと思うのであります。
・・・であります。

劇作家に「エロスと暴力」の、極めて人間的な生物としての根本的な本能が失われてしまっている限り、生身の役者は活字を伝える道具でしかありません。
平田オリザ以降、そんな気がするのです。役者はロボットになってしまうのか。

「かぐや」では人間を表現するために、人間を辞めてしまわなければなりません。ロボットの方向ではなく、美しき妖怪の世界です。

竹から生まれる「かぐや」は人間ではない。桃太郎や瓜子姫も同様。

つまり、この劇はホラーショーなのである。

(注)写真は妖怪たちの休憩。

子劇レポ【10】
■10月9日(土)

「ふしぎの森」子ども創作劇にチャレンジ!・・・問題解決へ。
問題点は見えてきた。

(1)台詞を覚えていない。(数名は大丈夫なのです。)
(2)人様に見られる自覚がない。(数名は大丈夫なのです。)
(3)稽古の進行が遅すぎる。20分で出来ることが2時間はかかる。(汗!)

このような現状でも劇団側が焦ってしまってはアウト!である。根気比べだ。

(1)については、「覚えろ!」では何の問題解決にもならないのです。覚えたことを喋っているだけではダメ!劇にならない。・・・小学生にこんなことを要求するのは、劇団いろいろあれど、夢桟敷だけであろう。
一体、何の役をやっているのか?ここが入口であり、私たちが要求しているのは身体ごと発声することである。びっくりするくらい、大声を出すこと。

(2)まだ、はずかしがっている。はずかいね。人様に見られることははずかしいね。
大人の劇団員だったら、百叩き、辱めの刑、デンキアンマでグリグリ攻撃である。快感で痺れるか、セクハラで訴えられるか、ギリギリの勝負どころだ。今のところ訴えられたことはありません。ここが体育会系と違って知能犯のなせる集団である。
小学生にそんなことをしたら虐待ですぞ。・・・恥じらいの可愛さを引き出すいかないね。5年生くらいなると思春期だもん。肯定せねば!思い出せ、恥じらいを。

(3)稽古だからダメ出しは当然だ。この回数が多すぎる。つまり、劇団側の理想が高すぎるということ。何度も根気良く繰り返す内に表情が変わる。それを待つ。そのために繰り返す。子どもたちの表情は生まれもった天才的な表情を持っているのだから、それを引き出すまで待つ。待っているから時間はかかる。・・・待つ。

と言う訳で、私たちが子どもたちに鍛えられているのです。
今回は怒らないこと!を前提にススメています。但し、クドシンとましまんは怒ってもいいことにしたのです。子どもたちに人気があるからである。つまり、信頼されているのだ。

ともあれ、問題点がわかると大丈夫。・・・次から年齢差50の恋愛関係に入るよ。

愛しあってるかい。愛し合うことだよ。

終了後に長崎から音楽の中村さんがやって来て酒を呑む。大人はこれだからズルイ。ストレスはない。

かぐや【4】稽古
■10月10日(日)

大阪事務所のkojimaさんから、ブラジルのジュース「ガラナ」が送られて来る。長崎のカステラを食べながらガラナを呑む。
凄いパワーが稽古で発揮されることになった。・・・稽古の中身はネタバレになるので口止め。休憩時間の写真だけをご報告します。