猫目ACT-01■河原町で事始め

チラシには以下のようなメッセージが綴られている。

愛にうえた、猫目ＡＣＴ‐０１、襲来

人は常に愛に歌に、自由に、芝居に餓えているのである。
それ故に人は、何千年も昔から躍り、歌い、演じ続けてきたのだ。
２０１２年、今。我々は「見世物」の原点に立ち返る。
河原町に現れる怪しい謎のテントで繰り広げられる見世物のパレード。
人類の初期衝動を目撃せよ。

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劇団夢桟敷はこのメッセージに同意した形にはなる。それが参加することの覚悟ではあるのだが・・・。このメッセージを逆さまに読みとることはできないだろうか。
愛に飢えているのではなく、事実、愛に包まれて（役者の原点）として生かされているということだ。お恵みを頂いて生きている。それは「愛」という精神的観念的なものではなく、多くの労力やモノによって支えられてきた。与えて下さる方々が時の場所の権力者ではなく、身近な苦労人や無名の偉くもない市民たちに支えられている。
賛同者がいる限り、オドリ、歌い、役者は生き続けられる。お恵みをありがたいと実感している。

若さは反発するエネルギーがある。
私はそれを期待し新しい世界を切り開く力を信じる。

今回の会場は熊本市では古い町、アートで町おこしを試みている河原町である。
劇団として昨年より関わっている。思いつき、この町で発見したのは「町の劇場化計画」だった。
昭和の町、路地、ここに佇む人々、下町特有の人情がある。懐かしいでは終わらない。物欲、利益に抗して守るべき暮らしや営みがある。そのものが「劇場」として感じられる。

演劇公演「サダひとり。～阿部定事件」はこの町で愛のエスカレートを表現する。見事なまでに静かに消え去った阿部定。新しい視点で繰り広げるにはふさわしい風景である。