山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

めも■コラージュ

2013-11-12 23:59:52 | 遊戯療法~レミングより
稽古場では部分を切ったり張り付けたりしている。
メモは欠かせない。
切り口が変わると、今まで気付かなかったことが飛び出してくる。
そんな仕掛けがあるから、止まらなくなるのです。

寺山修司 没後30年を期して2013年4月「レミング~世界の涯2013」につづく第2弾としての「遊戯療法」です。
全体を通して「遊戯療法」を浮かび上がらせる実験劇となる。
そして劇はパズルゲームのように迷宮する。

■劇は始まる前に始まっていた。

合言葉は「飛び出すネズミがたった一匹!」

【1】母殺し あるいは手術室

「頭蓋骨に穴をあけろ。」
<マッチの炎に母が浮かぶ。>

【2】少女(花嫁)殺し あるいはICU

夢の中だから殺せる。
夢の中のことを誰が裁けるだろうか。
ぼくは夢の中で自由だと思っていた。
夢は鳥よりも遠くへ飛べる。
世界の涯まで飛べるのだ。

■2-1天文学の不思議

「宇宙に放り出されたかと思っていたら、
 ここは集中治療室だった。」

■2-2床下の散歩者

「散歩はただの生活のマンネリズム。
 健康管理のためです。
 旅は冒険です。だがしかし、不健康」

■2-3女優 影山影子の分裂と増殖

「ヒロインは、いつも物語を欲しがっている。
 ところが物語は、大抵、行き止まりなんだ。」
「あなたの売名のために、
記憶喪失のふりをしつづけるなんて
もう、まっぴら!」
「あんた、誰よ?」
「影山影子」
「影山影子?」
(影山影子たち三人が不気味に笑いだす。
 そして発狂した)
◎「記憶喪失症」の保護
◎死亡届(戸籍法第86条の届)

【3】行き過ぎよ、影

<場面、いきなりICUにてピストルで花嫁に撃たれる出口君>
「いつまで眠っているんだい!」
「だめだ、ぼくは死んでいたんだ」
「夢のテロリスト!
 お墓のまわりの黄色いのは、
 お前が子供の頃、好きだった菜の花だ。
 よく見てごらん。
 あの菜の花は全部母さんの白髪で編んだ造花だよ。
 だから決して枯れることはないんだ」
◎歌 Come down Moses

■ラストのラスト

<出口君のアジテーション>
観客席は閉鎖される。
「なんて明るい闇なんだ!」

■追悼

一番最後でもいいからさ
世界の涯てまで連れてって

次回公演「遊戯療法」ご案内

冷え込んできた!

2013-11-12 11:56:51 | 遊戯療法~レミングより
連日の稽古がつづいている。
昨日、言ったことややっていたことが変わる。
出演者にとっては混乱の極みだ。
変化を楽しむことができれば、俳優業の極意を自分で発揮することもできる。
座長=夢現の提案が多く出るようになった。
座長はキャリア35年!私とはツーカーの関係ではあるが、意見の食い違いは日常茶飯事である。
劇団を立ち上げた若い頃は稽古中に議論することで時間を費やして終わったこともある。
時間がもったいない。早く決めないと前に進まない。一見、不毛な議論のように見えていたのだ。
今は不毛な議論ではないと思うようになった。
稽古が終ってレストランで食事する時に次の稽古で議論を活かすようにしている。
この食事の時間は大切である。誰が何を考えているのかよくわかる。

今回、影山影子(肥後丸.)、その影(サキ)、花嫁(MAMI)の三人の役が重要な位置にある。繊細な場面だ。
女優の設定であるから、大真面目に女優を演じていたのだが、二枚目の看板を壊すことを稽古中に発見した。
今日から客演=玉垣哲郎(劇団みちくさ)天文学者も壊れた。まるで殺人鬼のような冷たい男に見えるようになった。
そもそも、この劇では二枚目・三枚目の役柄の設定自体が間違っていることに気付いた。
舞台では「壊れた人間たち」を総がかりで取り組んだ方が、全体として見えやすくなる。
気を抜くと笑ってしまう。薄っぺらい喜劇になる。これも違う!
悲しすぎて笑うことしかできない舞台へ!
主演/出口君(クドシン)とその母、壁女(夢現)のラスト場面が決定的なものとなる。

秋の深まりを感じる今日、鼻水が止まらなくなりティッシュ一箱を手放せなくなった。
一番の強敵は風邪である。健康一番!・・・肉体大切。演劇は体育か?

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