熊本公演終了【感謝】

私たちを取り巻く今の時代、それは恐ろしいモノに憑依されている。
その一つに天変地異がある。神の仕業ではない。地球や宇宙の、言わば自然現象だ。それに伴う人為的な破壊。
豊かさを求める余りの人間のおごり。原子力発電所がその典型だ。フクシマで大爆発を起こしても政府や電力会社は日本中に散らばっている原発を廃止する様子もない。反省がないばかりか、再稼働を狙っている。
反省がない！と言えば今や平和憲法の改悪を進めている。国家機密法や集団的自衛権などは日本を戦争ができる国になるための準備だ。今回のイスラム国の日本人人質事件にしても、自衛隊＝軍隊が介入できるようにするための根拠を求めることになると、明らかに反イスラム国連合との参戦状態になる。

昨年5月に「透明人間」三部作に取り掛かった理由は「人間不在」「人類滅亡」のペシニズム＝悲観主義が原動力となった。もう、楽観主義はない時代に突入した。危ない時代にきた。
第一部では「未来編」として幽霊や生き残ったロボットたちで物語を構成した。破壊という＜結＞から始まり、繰り返すという＜転＞へ。
それにつづく第２部は「古代篇」として「火の君、鳥の物語」として東京（昨年12月）と熊本（今年の1月）で公演になった。
＜起＞と＜承＞へ戻る。時間を原始古代へと巻戻した。
東京公演と熊本公演の決定的な違いは登場人物たちの妄想が宇宙から病室に強調されたところだった。
疎外は物理的なところから人間の内面まで蝕まれている。つまり、気が狂っていることを強調する劇になった。何が狂っていて、何が正しいのかわからない。世界観は＜個＞の問題なのか＜全体＞の問題なのかわからない、宙ぶらりんの＜個＞があり＜社会＞がある。

生きていかなければならない。
ここに生まれ落ち、命を授かった以上、生きてモノを言おう。
無視されようが、嫌われようが、叩かれようが、無力や無駄と思われようが、劇の消耗戦はつづきます。生きている限り・・・だ。

夢桟敷を見捨てず、温かく見守ってくれている皆様に感謝致します。
ご来場頂いたお客様に感謝致します。影になりご協力頂いた皆様に感謝致します。
会場を提供して頂いた法泉寺さまに感謝致します。

次回の透明人間三部作完結編は、
「ねじ式～つげ義春の世界」
■熊本公演
5月29日（金）30日（土）熊本市中央区河原町2ギャラリーADO
■札幌公演
6月6日（土）7日（日）札幌市中央区南4西9 栄輪ビルB1　風蝕異人街
になります。