帳場の山下さんの魚河岸日々雑感

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はるかに超えてる

2011-03-12 18:31:00 | 日々雑感
多少の寝不足、そして情けなや、下半身の筋肉痛。
普段割と歩いている方だと思っていたのに。足というより、お尻の筋肉が痛い。
ああー、ケツ筋が痛い痛いと言いつつ、仕事をしていた。

それにしても、あんな東京は見たことなかった。
災害時の帰宅難民の話はよく説かれていたけど、本当にあるなんて。
まるで、花火大会の帰りみたいだった。ところによっては身動きが出来なくなるほどの、人の渋滞。

私はのえちの心配もあって気が焦って、ケツ筋が痛くなるほどの競歩状態で、追い越し半駆け足で、時に靴を踏まれて脱げたりしてとにかくわたわた歩いていたんだけど、みんな意外に冷静、というか楽しく明るく、友達や同僚やカップルでお喋りしながら家路に向かっていた。

のは、まだ全体像が把握できていなかったからなのか、こんな事態に妙にテンションが上がっていたからなのか。
いややっぱりどこかで、こういう事態がいつかあると予測していた“冷静”だったように思う。

会話を聞いてると、私なんかより、とんでもなく遠くの家路を目指している人たちが沢山いた。
日光街道の方向を聞いている人!までいた。
実際、6時間、7時間歩いて帰った人はザラだったらしい。

それにしても、私ももし映画に行っていたのが渋谷とか新宿だったら、とても帰れなかった。
ていうか、直前までそのつもりだったんだけど、あ、すぐそこで友和さんの映画やってるー、と変更したのが不幸中の幸いというか。
銀座からなら、方向音痴の私でも、距離的にも、歩いて帰れるじゃん、とトレーニング出来たかも。


昨夜から大江戸線は復旧しており、出勤に支障はなかったが、なにせこんな状態なので品物がない。あったとしても、高速が使えてないせいで延着の嵐。
お客さんも殆んど来なくて、来ても地震の話をしに来るといった感じ。
一方でデパートやスーパーの仕入れ担当者は、モノがいいことよりも、今はモノを確保することだ、と青くなって走り回っていた。
とにかく、惣菜に出来るような魚を探しまくっていた。

しかし、老朽化した市場、しかも沿岸であるこの場所が一番危ないよな。ヒマだったこともあるが、皆早々に仕事を切り上げる。
実際、市場ぺちゃっと潰れてんちゃうの、と思ってたが……意外に大丈夫だった。
古い事務所は壁のあちこちに亀裂が入りまくってた。

帳場にいる朝の時間帯に、実家から電話があったと、姉ちゃんから携帯に連絡が入る。
なんでもずっと停電で、かーちゃんが公衆電話からかけてきてくれたという。
福島だけど中通りだから、海からも山からも遠い場所なので大丈夫!と思ってはいたが、ほっと安心。
家に帰ると、とりあえず電気が復旧したと、かーちゃんが復活した家電から私の携帯にも連絡をくれた。
しかしまだ断水は続いているという……。


それにしても報じられれば報じられるほど、見れば見るほど信じられない事態。
映画みたい、なんて不謹慎な表現すら軽く超えている。
さすがに、その映画を観に行く気も起こらず、延々と続くテレビ中継を呆然と見ている。