帳場の山下さんの魚河岸日々雑感

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イッセー氏と米倉斉加年の二人芝居

2011-03-20 07:31:00 | ノンジャンル

昨日はイッセー尾形と米倉斉加年の二人芝居「イッセー尾形とあの人 今昔二人物語」へ。あの大地震があった時にはやっぱりちょっと迷ったが、場所が日本橋で万が一電車が止まっても歩いて帰れる距離なので行くことを決めた。
イッセー氏の一人芝居の地方公演は、いくつも中止された模様。この二人芝居の東京公演は決行してくれた。「自分たちに今出来ることは、芝居をやること」 ここでも、今出来ること、という言葉を聞く。

会場内は節電のため薄暗く、開演前にイッセー氏自身が「非常時には公演を中止し、スタッフが誘導いたします」とアナウンス。くだけた口調とはいえ、常とは違うことに緊張する。さすがに空席もちらほら見える。

始まって開口一番「皆様の知的好奇心の探求には感動する」とぶちかまされて、会場の空気が一気に緩む。
イッセー氏の一方の魅力であるシュールな世界が大爆発。この人の冒険心には本当に感服する。イッセー氏の芝居に足しげく通っているであろう観客でも、最初は戸惑ってしまう程のシュールさなんだもの。



終演後の挨拶。米倉氏が「自分より若い人に一緒にやろうと声をかけて頂くのは本当に嬉しい」と前置きした上で、「見も知らない人に……」「やればやるほど訳が判らなくて……」「不惑はとっくに過ぎて、もう喜寿なのに、とにかく訳が判らなくて……」と本音?が次々と漏れ出すのには場内大爆笑。
しかもイッセー氏が「もっと稽古をすれば上手く出来るのにと、皆さん思ったでしょう。我々もそう思います」って!!「米倉さんと一緒にやるのに、稽古をするなんてもったいない。稽古なんてやめましょう、やめましょうと」!!稽古でがっちり作るのではなく、舞台で二人が作り出すナマな空気を楽しみたいんだと。

凄い人だなあ……。

だって、まあ私はお芝居をそんなに観る機会もないけど、でもそんなこと言う舞台人なんて聞いたことないよ。舞台はとにかく稽古、稽古、稽古、それでなくては良いものが見せられないというのが常識だ、と。
だってグダグダになってしまうのが浮ュなりそうじゃない?実際、グダグダな雰囲気にも見えて、だからこそ最初は戸惑うんだけど、それを力ワザというか、達人のワザで面白くさせてしまうのがさぁ。凄いよなあ、ほんとに。




これは載せても大丈夫かな。米倉氏がライヴで描いた絵。テーマは「モンゴル襲来」??
そのパフォーマンスの前でイッセー氏が哀愁たっぷりのウクレレをたらりーんと(^^;



帰り道、街も暗い。地下鉄構内も暗い。土曜日の夜とは思えないほど地下鉄もすいている。乗っている時携帯が鳴ってやむなく切ったが、帳場の先輩からで、こんな時に電話なんてまさか原発が爆発!?(いやいやいや、シャレにならんての)と、駅について慌ててかけなおしたが、「いやあ、今地震があったからさあ」えっ?全然気付かなかった。電車も止まらなかったし。「震度3だったよー」そ、そうすか……。ビックリした……。