この秋、ボクはテレビドラマにハマっています。なんかね。テレビにありがちな薄っぺらで軽薄なドラマではなくて、ずっしりとした印象のヒューマンドラマって感じの名作がこの秋は多いな…と感じています。再放送の「坂の上の雲(NHK)」も含め、なんかこの秋の夜長に(まぁ録画してみることが多いのですが)、テレビドラマを見るのに忙しい日々なのですよ。
では、ボクがお薦めするこの秋のドラマを3本紹介しましょう。まずは1本目。TBSの日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」です。
これはおもしろい。これまでの日曜劇場とは一線を画す“ヒューマンラブエンターテインメント”って感じのドラマです。 このドラマは、1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島(軍艦島)と、現代の東京を舞台にした、70年にわたる愛と友情そして家族の壮大な物語です。
出演者も魅力的です。過去の炭鉱職員と現代のホスト役の2役を演じる神木隆之介をはじめ、宮本信子、杉咲花、土屋太鳳、池田エライザ、沢村一樹、斎藤工、國村隼らの味のある演技が光ります。日本の高度経済成長の光と影を描くだけでなく、原爆や空襲で失われた命に対する国や大人たちの責任、戦後の復興を果たした日本人の生き方は本当に正しかったのか?など、いろいろ考えさせられるドラマです。これからの展開がますます楽しみです。
2つ目のドラマは、同じくTBSの「ライオンの隠れ家」です。
真面目で優しい市役所職員の主人公を演じるのは柳楽優弥。両親を亡くした彼は、坂東龍汰が演じる自閉スペクトラム症の弟のために必死で生きています。2人で暮らす兄弟が佐藤大空(たすく)が演じる謎の男の子「ライオン」と出会い、ある事件に巻き込まれていくサスペンスドラマです。
このドラマでは、何と言っても自閉症スペクトラム症の青年を演じる坂東隆汰の演技が素晴らしいです。自閉症の特性を本当にしっかり勉強して撮影に臨んでいるんだろうなぁ…と推測されます。その彼が、「ライオン」との生活によって成長していく姿は感動的です。先の読めないストーリーと、脇をかためる豪華キャストの演技が光る好ドラマですね。ボク的には、彼らの生活を陰で支える近所の食堂店主を演じる”でんでん”が、大好きです。
そして3つ目は、NHKの「宙(そら)わたる教室」です。
これは、実際に大阪府にある定時制高校の科学部から着想を得た、同名小説を原作としたドラマです。通っている生徒たちは不良だったり、フィリピン人だったり、起立性障害を抱えていたりと、年齢も境遇も様々です。本作は彼ら定時制高校の生徒たちと、将来を嘱望されていた惑星科学の研究者でありながら「やりたい実験がある」と、突如定時制高校に赴任してきた藤竹(窪田正孝)との交流を描きます。この窪田正孝の訥々とした演技がまたいいんだよなぁ…。
なんか、ボクはこういう「周りからダメだと烙印を押された若者たちが困難を乗り越えれ頑張るストーリー」って大好きなんですよね。このドラマも、夢中になって見ています。宇宙の壮大なロマンや科学的な知識、JAXAの活動なんかを知ることができるのもドラマの魅力になっています。いずれ原作も読まなきゃな。
映画ももちろん魅力的ですが、テレビドラマも捨てたもんじゃありませんね。