こんばんわ。
今日はクリーニングの日だそうです。
さて、今日はですね私の体験談を書こうかと思います。
一部守秘義務のためボカしますが、法律上可能な部分だけ
執筆しようと思います。
さて何のことかと言いますと。。
裁判員裁判でご存知です?
まぁそんな制度もあったよなーくらいですよね。
まさかの「それ」に選任されてしまったのですよ。
わたし。
まぁだいぶ前ですし、もう職務は解かれてるので
書けるわけなんですがね。
そもそも裁判員裁判ってのは選挙権を持つ国民誰でも
可能性があるってご存知でした?
だけど当たることはないだろうと。
そう、私もそう思っておりました。
でもね、当たったの。
遡ること某年の11月くらいかな?
「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」ってのが
郵送されましてね。
あなたは、来年1年間、裁判員候補者に登録され裁判員に
なる可能性がありますよ。覚悟しておいてね。
みたいな文書が私宛に届きましてね。
一応調べましてね。
したら裁判員になる確率は全国で
0.02%
こんな確率なんでね、当たるわけないだろうと放置してたわけ。
まぁ中には1年間で事前に出頭できない予定が決まっていれば
この期間は辞退したいです。
みたいなことを書ける質問表があるんだけど、1年間の予定って・・・
わかんないよね。
当たるわけないって思ってたからそのまま放置です。
ところがどっこい。
某日、「呼出状」なるものが
特別郵送で届いた。
家に居た妻から仕事中に電話がきたの。
「なんか裁判所から封筒来たよ?!受取署名したけど?!」
「なんで裁判所?俺なんもやってないべさ。」
「わかんないけど!」
「・・・まさか!まぁ帰ってから見るわー」
見たいな感じで届いた。
帰ってから見ると「裁判員等選任手続き期日のお知らせ(呼出状)」
という文書で、
あなたは某日に選任手続きがあるので必ず某裁判所に
出頭しなさい。
と。
で、下のほうには正当な理由なく出頭に応じない場合は10万円以下
の過料に処せられることがあります。
と脅し文句が・・・。。
で、必ず行かなくてはならんので会社にそのような
報告をして選任手続期日の日をとりあえず休みにしました。
休みというか特別な有給休暇で。
さらに、あなたが裁判員に選任された場合は○月○日~○月○日
まで裁判員(又は補充裁判員)として参加して頂くことが
予定されています。
このうち当裁判所まで来て頂く日は次の通りです。
で、日程が書かれてます。
私の場合は詳細は伏せますが月~金、土日を挟んで
月と計6日間の日程。
選任手続きの日を入れたら拘束される日は計7日間。
これはけっこう長いなと。
色々ネットで調べたら平均が3日間とかってかいてたからさー。
長いなと。
まぁでも選任手続きには60人程度呼ばれて、そこから6人と2人の
計8人しか選ばれないから、こりゃまず当たらんべと。
そうはいっても呼出状が来る確率もかなり低い。
そう、今年は当たり年だと思って、すぐに宝くじを買いに行きました。
人生ってそう甘くはないよね。
かすりもせず。
さて、そんなこんなでいよいよ選任手続き当日です。
裁判所に行くなんて30年間で初めてだからさ、多少の緊張は
あったよね。
玄関では持ち物検査をしてます。
しかし裁判員候補者は別ルートで通過。
指示された場所に行くと廊下で待たされた。
すぐに別な年配のおっさんが同じく呼出状を片手に待たされる。
順番が来て呼び出され、裁判員候補者待合室なる部屋に通され、
入ってすぐにカウンターのような席が設けられ、
そこで裁判所職員から本人確認をさせられる。
そこそこ広めの会議室といった感じでしょうか。
机とイスがずらっと並び、後ろの方にはソファと雑誌のラック、
ドリンクサーバーがあります。
飲み物は自由に飲んで下さいとのこと。
来た順から番号が割り振られ、その番号の席に座ります。
僕が来た時間は9:30までと言われていたので、9:10には
席に座ってました。
この時点で私を含めて20人弱しか座ってません。
ほとんど年配者。
周りの机を見ると番号が26番までしかないのです。
あれ?60人くらい呼ばれてるんじゃないの?
そんな疑問は的中。
9:30になり、24人しか来てません。2人は無断欠席か?
顔ぶれを見ると半分以上が年配と高齢者。
女性が10名ほど。
そして30代以下の若者は5人くらいしか居ないの!!
こりゃね、事前にネットで情報を得ていたんですよ。
くじといいながら、選ばれるのは見事に年齢層がバラバラで
男女のバランスも良く選任される傾向があると。
そう考えたら若いもの系の枠は5人しかないから
可能性が出てきた!!
ちょっとマズイかもと思い始めました。
そうこうしてるうちに職員の方がおもむろに
説明をし始めました。
本人確認の時に渡された質問表を書くよう言われました。
まぁこれといって辞退に該当する項目がないのです。
で、個別で面談の希望がある人は書くようにと。
私は理由がないので集団面談で。
そうそうその前に今回の裁判の事件内容が発表されます。
被告人の名前、事件の詳細、事件のあった場所などなど。
事件関係者は申し出なければならない。
公平な判断ができない恐れがあるので関係者は辞退又は
選任されない。
その後、裁判官3人、検察官2名、弁護士2名が登場し、
挨拶。集団面接のひとはその場で裁判長の質問に
挙手制で応答する。
個別面接の人は彼らと1人ずつやる模様。
何を根拠に判断するかわからないけど、法律上、
検察官と弁護士は理由を開示せずにそれぞれ4人まで
候補者を不選任請求できるらしい。
なんだかんだで個別の面接も終わったらしい。
そうこうしてると裁判所職員が何人かの元へ。
あなたは辞退が認められたので帰られて結構です。
と、言って回ってます。
合計、7人が辞退を認められた模様。
その中には若者枠の30代前半以下と思われる人も含まれて
いるようでまずます確率が上がってきたようだ。。。
そんなこんなでくじでの選任が終了しました。
これからスクリーンに番号が出るので、その番号の方は
裁判員に選ばれましたので別室に移動して下さい。
それでは発表します。
画面には裁判員の枠が6個、補充裁判員の枠が2個空いてます。
今回は8人が選ばれるようです。
2番・・・
7番・・・
うわー緊張する・・・!!
ちなみに私は15番です。
11番・・・
14番・・・
あ、この間隔じゃ15番は通り越すんじゃないかな~
15番・・・
へっ・・・???
23番・・・
続いて補充裁判員の方です。
いやいや!!マジで??
19番・・・
25番・・・
いやいや!!選ばれちゃったよ!!
まじでびっくりした。びっくりしてる暇もなく、番号を呼ばれた人は
別室に促され、あれよあれよという間に気が付けば別室の前に。
通された別室は6角形のような机に正面に裁判官、右側に弁護人、
左側に検察官がいらしゃいました。
その周りに裁判所職員や書記官らがおりました。
我々は裁判官の正面に座らされ、番号順に裁判員番号が
また新に付与されました。
私は5番でした。
戸惑っていながらも裁判長より軽い説明が有り、
目の前にある紙を持ってと言われ、
全員起立し、私達裁判員に選ばれた人たちが宣誓を読みます。
そして署名捺印をさせられます。
この瞬間、期間限定の特別国家公務員である裁判員職務に
従事することになりました。
えーあっという間でした。
それが終わると別室の「評議室」に案内されます。
この評議室をこれから6日間使って頂きますとのこと。
この評議室はね暗証番号の付きのオートロック式で
裁判員と補充裁判員、裁判官と世話係の裁判所職員しか
立ち入りが許されないとか。
しばらくすると裁判官3名が入室し、今回の裁判のスケジュールや
今後の流れ、注意事項や諸々の説明が有り、法廷見学へ。
当日の法廷へ入る順番、座る位置、書記官席にある機材の
説明や法廷での進め方のレクチャー。
で、評議室に戻り質疑応答。
それが終わるとこの日は解散。当日は9:30までに
評議室に来るようにとの事。
いや~なんだかあっという間に時が過ぎ、戸惑いの中
1日が終わっちゃったなって感じ。
評議室にはでっかい円卓のテーブルが有り、一人ひとりに
筆記用具が用意されてる。
室内にはジュースサーバー、駄菓子、冷蔵庫、電子レンジ、
各人用のロッカー、各人用の書類ケース、モニター、
ソファコーナーがあります。
すごく快適な至れり尽くせりな環境です。
そんなこんなで解散になり、裁判所を出て一息付いた所で
まずは妻に電話。
「参ったでや。」
「どしたの?」
「選ばれたでや。」
「まじで?!」
「うん、マジ。まさかの裁判員さ。」
続いて会社に報告。ボスに電話。
「yamatoですけど・・・ボス・・・」
「どうだった?」
「まさかの選任です。裁判員に選任されちゃいました」
「ほんとにかー!うーんまぁ仕方ないよな。せっかくの
機会だからしっかりと務めてこい。」
「はい・・・」
そんなこんなで選任手続き期日の日は13時頃に終わりました。
裁判員職務中は特にこれといった拘束はありません。
普通に家に帰っていつも通り過ごして構わないと。
宿泊してる人も裁判所を出れば何しようが構わないと。
そして私はお腹が空いたので一人寂しくランチ。
そんなこんなで選任手続期日の1日は終わったのでした。
いよいよ公判初日。
初日はさっそく法廷での審理が始まります。
初日の午前中から法廷に行って、裁判官と同じ並びのイスに
着席します。
法廷に入るドアの前に準備部屋みたいになってて、そこで時間
ピッタシまで待機します。
その時に、法廷への入り方、入る順番などレクチャーされます。
初日は冒頭手続き。
裁判長が被告人を証言台に呼び、宣誓してもらいます。
虚偽の発言を行った場合は罰せられますよーみたいな。
それからは検察官と弁護人の冒頭陳述です。
まず検察官が起訴状全てを読み上げてから、今回の事件の
ストーリー、そして検察が起訴した内容に被告人が
認めていない箇所がある旨説明し、検察側の言い分と
弁護人の言い分を大まかに説明し、いわゆる「争点」を
説明します。
弁護人からも同様の弁護人の言い分である冒頭陳述を述べます。
これを聞いてこの事件の流れと裁判での争点を理解することが
できます。
午後からは証拠調べが始まります。
これが3日間ほど続きます。
被害者が出廷し、検察側、弁護人側両方から
事件当日の被害状況の聞き取りが行われます。
そうそう、驚いたことがね、あってね。
法廷で裁判員は裁判官と同じような位置づけなんですよ。
だから被告人にも証人にもまた被害者にも
質問していいんですよね。
ですから私も被告人にも証人にも法廷で質問しましたよ。
そして2日目からは四六時中証拠調べ。
検察が用意した遺留品やら現場検証の様子、供述調書など
全てに読み上げ、提出するという作業を朝から晩まで。
もちろん途中1時間~1時間半に1度休廷を挟みます。
そして私達は提出された証拠を元に被告人に質問します。
そんな眠たくなるようなやり取りを3日間ほどやり、
4日目あたりから被告人の関係者が出廷し、証人尋問と
情状を訴える。
で、4日目の午前中に検察側の論告求刑、弁護側の最終弁論、
被告人の最終陳述で一旦終了。
後は別室の評議室で全員で評議。
有罪無罪の判断と量刑を評議します。
残念ながらこの評議内容は生涯にわたって守秘義務が
発生しておりますので何もコメントできません。
みっちりと2日ほど評議し、最終日に判決の「宣告」です。
宣告が終わると今回の裁判が閉廷し、評議室に私達も戻り、
諸手続きを終え、裁判員職務が解かれました。
えぇ、無事に職務を全うしたわけです。
感想としてはですね、なんだか最初のイメージだと
裁判員で裁判に参加って言えども、結局は裁判官の
判断に引っ張られるというか、国民の参加って言う
パフォーマンス程度で、たいした裁判員の役目なんてのは
無いと思っていたんですよ。
だけどね、裁判員の意見もしっかり反映するし、平等に
意見を言えるし、自由に質問できる。
法律の知識があるかないかの違いだけで
裁判そのものに対しては同じ権限を持つという
非常に負担の大きな仕事でしたね。
その分、やりがいもある程度あったし、裁判官3名と
裁判員6名と補充裁判員2名での11人の結束みたいな
チーム意識が徐々に高まっていきましたね。
まぁ裁判員は最後までお互い名前も仕事も知らないまま
でしたけどね。
あと、感じたのは
「裁判官も同じ人間」なんだなーとしみじみ思った。
評議以外の休憩時間とか昼食中とか色々喋るんですがね、
人が人を裁くわけですから、決して裁判官も「神」のような
存在ではないってことがわかりました。
お蔭様で普段は中々接することが出来ない裁判官が
非常に身近な存在になりました。
至って彼らは普通に過ごされてるようです。
そうそう、我々は評議室で1日中過ごし、公判がある時は
評議室からみんなで法廷に移動するというような日々なんですよ。
そこでは我々8名の裁判員に加え、裁判官も同じように同じ場所で
過ごすんですよね。
ですから昼食も一緒に摂るんですよ。
てっきり彼らは裁判官室みたいなところで昼食を摂るかと
思いきや、数日の限定だけどチームワークを大切にしたい
という思いから一緒に過ごすようにしてるらしい。
裁判長の意向でね。。
その意向のお陰もありましてね、まぁ和気藹々とチームワークは
感じたところですね。
まぁ評議の中で何が、どんなことを、誰がなどは
生涯守秘義務を負うようなんで言えませんが、
やはり、人が人を裁く、または素人として人を裁かなくては
ならないということもあり、それぞれ真剣に考えてました。
私も一種の責任感を持ちながら、無い頭をフル回転し、
あくまでこれまで培ってきた経験上の市民感覚で、
しっかりと双方の証拠を元に精一杯考えました。
みなさん、そのように一生懸命考えたと思います。
私達の意見に裁判官も「なるほど」と思ってもらったり
専門家の彼らでは思いつかないような視点で意見を
伝えることが出来たと思います。
そしてそれをちゃんと反映してくれたと思います。
裁判長も、裁判官だけの意見ではなく、あくまで
全員で考えて一緒に判決、量刑を決めようという
スタイルだったので「自分も参加しているんだ」
という気持ちにさせてくれました。
そんな感じだったので普段考えないようなことを
考えるわけですから、非常に疲れましたね。
達成感ややりがいを感じたのはもちろんですけど
負担は大きいと感じました。
なので裁判の日程など2日間ずつとか、間を取ってくれると
会社員などは助かるかなーと思いますね。
この裁判員制度、まだまだ改善の余地は
あるのかなーと思います。
やっぱりね、家に帰ってからも裁判のことを
考えたりしちゃいますね。
中々家族にも詳しくは言えないけど
家の中で考えてしまうよね。
まぁでも僕は僕として、自分が感じること、
出された証拠を元に感じること、感情的にならずに
冷静に証拠で判断し、他の方と違意見が違ったとしても
私自身が感じたことを伝えると心掛けました。
それこそが「裁判員制度=一般市民の参加」の意義
だと思ったからです。
私は参加して、選任されて良かったと思います。
中々経験できないことを経験できて
自分の見聞や経験値が広がり、得たことは
非常に貴重な経験だと思います。
どんな事件とかに限らず万が一、候補者または選任されて
しまった場合は、是非とも辞退せずにやってみてほしい
と心から思います。
きっとかけがえのない貴重な人生経験となるでしょうから。
その後、被告人が控訴したのかどうなのか、あるいは、
既に服役しているのかなどは、
裁判員としてこの裁判に参加した事情があるので
気になる人は個別で裁判所に聞けるらしい。
そんなこんなで私のミラクルな経験を綴りました。
おまけ。
ある日の昼食です。
日替わりで弁当の出入り業者が来るらしい。
前日に注文をするんです。
ある日の弁当は唐揚げ弁当です。
唐揚げが弁当箱からはみ出てる!!
名物らしい。。
ちなみに昼飯は自腹です。。
帰りに何回か一人呑みしました。。
普段と違う生活スタイルだから帰り一杯やって帰りました。
そうそう裁判員としての最終日、正に職務が解かれた際に
裁判所からこんなものを頂きました。
裁判員バッジ…笑
シリアルナンバー付きの貴重なお品物。。
まぁどこで使うんだよって感じだけどね。。
まぁ参加に対しての記念品だそうです。
これと感謝状なるものを頂きました。
そんな感じで私の裁判員としての体験談を綴ってみました。
こんな確率の低いものに当たったからオータムジャンボで
再挑戦しようかしら。。。
というわけで何か体験者として聞きたいことが
ありましたらお問合せ下さい。
話せる範囲で話しますよ。
守秘義務は厳守するので悪しからず。
ではでは次回の更新までお元気で~~
今日はクリーニングの日だそうです。
さて、今日はですね私の体験談を書こうかと思います。
一部守秘義務のためボカしますが、法律上可能な部分だけ
執筆しようと思います。
さて何のことかと言いますと。。
裁判員裁判でご存知です?
まぁそんな制度もあったよなーくらいですよね。
まさかの「それ」に選任されてしまったのですよ。
わたし。
まぁだいぶ前ですし、もう職務は解かれてるので
書けるわけなんですがね。
そもそも裁判員裁判ってのは選挙権を持つ国民誰でも
可能性があるってご存知でした?
だけど当たることはないだろうと。
そう、私もそう思っておりました。
でもね、当たったの。
遡ること某年の11月くらいかな?
「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」ってのが
郵送されましてね。
あなたは、来年1年間、裁判員候補者に登録され裁判員に
なる可能性がありますよ。覚悟しておいてね。
みたいな文書が私宛に届きましてね。
一応調べましてね。
したら裁判員になる確率は全国で
0.02%
こんな確率なんでね、当たるわけないだろうと放置してたわけ。
まぁ中には1年間で事前に出頭できない予定が決まっていれば
この期間は辞退したいです。
みたいなことを書ける質問表があるんだけど、1年間の予定って・・・
わかんないよね。
当たるわけないって思ってたからそのまま放置です。
ところがどっこい。
某日、「呼出状」なるものが
特別郵送で届いた。
家に居た妻から仕事中に電話がきたの。
「なんか裁判所から封筒来たよ?!受取署名したけど?!」
「なんで裁判所?俺なんもやってないべさ。」
「わかんないけど!」
「・・・まさか!まぁ帰ってから見るわー」
見たいな感じで届いた。
帰ってから見ると「裁判員等選任手続き期日のお知らせ(呼出状)」
という文書で、
あなたは某日に選任手続きがあるので必ず某裁判所に
出頭しなさい。
と。
で、下のほうには正当な理由なく出頭に応じない場合は10万円以下
の過料に処せられることがあります。
と脅し文句が・・・。。
で、必ず行かなくてはならんので会社にそのような
報告をして選任手続期日の日をとりあえず休みにしました。
休みというか特別な有給休暇で。
さらに、あなたが裁判員に選任された場合は○月○日~○月○日
まで裁判員(又は補充裁判員)として参加して頂くことが
予定されています。
このうち当裁判所まで来て頂く日は次の通りです。
で、日程が書かれてます。
私の場合は詳細は伏せますが月~金、土日を挟んで
月と計6日間の日程。
選任手続きの日を入れたら拘束される日は計7日間。
これはけっこう長いなと。
色々ネットで調べたら平均が3日間とかってかいてたからさー。
長いなと。
まぁでも選任手続きには60人程度呼ばれて、そこから6人と2人の
計8人しか選ばれないから、こりゃまず当たらんべと。
そうはいっても呼出状が来る確率もかなり低い。
そう、今年は当たり年だと思って、すぐに宝くじを買いに行きました。
人生ってそう甘くはないよね。
かすりもせず。
さて、そんなこんなでいよいよ選任手続き当日です。
裁判所に行くなんて30年間で初めてだからさ、多少の緊張は
あったよね。
玄関では持ち物検査をしてます。
しかし裁判員候補者は別ルートで通過。
指示された場所に行くと廊下で待たされた。
すぐに別な年配のおっさんが同じく呼出状を片手に待たされる。
順番が来て呼び出され、裁判員候補者待合室なる部屋に通され、
入ってすぐにカウンターのような席が設けられ、
そこで裁判所職員から本人確認をさせられる。
そこそこ広めの会議室といった感じでしょうか。
机とイスがずらっと並び、後ろの方にはソファと雑誌のラック、
ドリンクサーバーがあります。
飲み物は自由に飲んで下さいとのこと。
来た順から番号が割り振られ、その番号の席に座ります。
僕が来た時間は9:30までと言われていたので、9:10には
席に座ってました。
この時点で私を含めて20人弱しか座ってません。
ほとんど年配者。
周りの机を見ると番号が26番までしかないのです。
あれ?60人くらい呼ばれてるんじゃないの?
そんな疑問は的中。
9:30になり、24人しか来てません。2人は無断欠席か?
顔ぶれを見ると半分以上が年配と高齢者。
女性が10名ほど。
そして30代以下の若者は5人くらいしか居ないの!!
こりゃね、事前にネットで情報を得ていたんですよ。
くじといいながら、選ばれるのは見事に年齢層がバラバラで
男女のバランスも良く選任される傾向があると。
そう考えたら若いもの系の枠は5人しかないから
可能性が出てきた!!
ちょっとマズイかもと思い始めました。
そうこうしてるうちに職員の方がおもむろに
説明をし始めました。
本人確認の時に渡された質問表を書くよう言われました。
まぁこれといって辞退に該当する項目がないのです。
で、個別で面談の希望がある人は書くようにと。
私は理由がないので集団面談で。
そうそうその前に今回の裁判の事件内容が発表されます。
被告人の名前、事件の詳細、事件のあった場所などなど。
事件関係者は申し出なければならない。
公平な判断ができない恐れがあるので関係者は辞退又は
選任されない。
その後、裁判官3人、検察官2名、弁護士2名が登場し、
挨拶。集団面接のひとはその場で裁判長の質問に
挙手制で応答する。
個別面接の人は彼らと1人ずつやる模様。
何を根拠に判断するかわからないけど、法律上、
検察官と弁護士は理由を開示せずにそれぞれ4人まで
候補者を不選任請求できるらしい。
なんだかんだで個別の面接も終わったらしい。
そうこうしてると裁判所職員が何人かの元へ。
あなたは辞退が認められたので帰られて結構です。
と、言って回ってます。
合計、7人が辞退を認められた模様。
その中には若者枠の30代前半以下と思われる人も含まれて
いるようでまずます確率が上がってきたようだ。。。
そんなこんなでくじでの選任が終了しました。
これからスクリーンに番号が出るので、その番号の方は
裁判員に選ばれましたので別室に移動して下さい。
それでは発表します。
画面には裁判員の枠が6個、補充裁判員の枠が2個空いてます。
今回は8人が選ばれるようです。
2番・・・
7番・・・
うわー緊張する・・・!!
ちなみに私は15番です。
11番・・・
14番・・・
あ、この間隔じゃ15番は通り越すんじゃないかな~
15番・・・
へっ・・・???
23番・・・
続いて補充裁判員の方です。
いやいや!!マジで??
19番・・・
25番・・・
いやいや!!選ばれちゃったよ!!
まじでびっくりした。びっくりしてる暇もなく、番号を呼ばれた人は
別室に促され、あれよあれよという間に気が付けば別室の前に。
通された別室は6角形のような机に正面に裁判官、右側に弁護人、
左側に検察官がいらしゃいました。
その周りに裁判所職員や書記官らがおりました。
我々は裁判官の正面に座らされ、番号順に裁判員番号が
また新に付与されました。
私は5番でした。
戸惑っていながらも裁判長より軽い説明が有り、
目の前にある紙を持ってと言われ、
全員起立し、私達裁判員に選ばれた人たちが宣誓を読みます。
そして署名捺印をさせられます。
この瞬間、期間限定の特別国家公務員である裁判員職務に
従事することになりました。
えーあっという間でした。
それが終わると別室の「評議室」に案内されます。
この評議室をこれから6日間使って頂きますとのこと。
この評議室はね暗証番号の付きのオートロック式で
裁判員と補充裁判員、裁判官と世話係の裁判所職員しか
立ち入りが許されないとか。
しばらくすると裁判官3名が入室し、今回の裁判のスケジュールや
今後の流れ、注意事項や諸々の説明が有り、法廷見学へ。
当日の法廷へ入る順番、座る位置、書記官席にある機材の
説明や法廷での進め方のレクチャー。
で、評議室に戻り質疑応答。
それが終わるとこの日は解散。当日は9:30までに
評議室に来るようにとの事。
いや~なんだかあっという間に時が過ぎ、戸惑いの中
1日が終わっちゃったなって感じ。
評議室にはでっかい円卓のテーブルが有り、一人ひとりに
筆記用具が用意されてる。
室内にはジュースサーバー、駄菓子、冷蔵庫、電子レンジ、
各人用のロッカー、各人用の書類ケース、モニター、
ソファコーナーがあります。
すごく快適な至れり尽くせりな環境です。
そんなこんなで解散になり、裁判所を出て一息付いた所で
まずは妻に電話。
「参ったでや。」
「どしたの?」
「選ばれたでや。」
「まじで?!」
「うん、マジ。まさかの裁判員さ。」
続いて会社に報告。ボスに電話。
「yamatoですけど・・・ボス・・・」
「どうだった?」
「まさかの選任です。裁判員に選任されちゃいました」
「ほんとにかー!うーんまぁ仕方ないよな。せっかくの
機会だからしっかりと務めてこい。」
「はい・・・」
そんなこんなで選任手続き期日の日は13時頃に終わりました。
裁判員職務中は特にこれといった拘束はありません。
普通に家に帰っていつも通り過ごして構わないと。
宿泊してる人も裁判所を出れば何しようが構わないと。
そして私はお腹が空いたので一人寂しくランチ。
そんなこんなで選任手続期日の1日は終わったのでした。
いよいよ公判初日。
初日はさっそく法廷での審理が始まります。
初日の午前中から法廷に行って、裁判官と同じ並びのイスに
着席します。
法廷に入るドアの前に準備部屋みたいになってて、そこで時間
ピッタシまで待機します。
その時に、法廷への入り方、入る順番などレクチャーされます。
初日は冒頭手続き。
裁判長が被告人を証言台に呼び、宣誓してもらいます。
虚偽の発言を行った場合は罰せられますよーみたいな。
それからは検察官と弁護人の冒頭陳述です。
まず検察官が起訴状全てを読み上げてから、今回の事件の
ストーリー、そして検察が起訴した内容に被告人が
認めていない箇所がある旨説明し、検察側の言い分と
弁護人の言い分を大まかに説明し、いわゆる「争点」を
説明します。
弁護人からも同様の弁護人の言い分である冒頭陳述を述べます。
これを聞いてこの事件の流れと裁判での争点を理解することが
できます。
午後からは証拠調べが始まります。
これが3日間ほど続きます。
被害者が出廷し、検察側、弁護人側両方から
事件当日の被害状況の聞き取りが行われます。
そうそう、驚いたことがね、あってね。
法廷で裁判員は裁判官と同じような位置づけなんですよ。
だから被告人にも証人にもまた被害者にも
質問していいんですよね。
ですから私も被告人にも証人にも法廷で質問しましたよ。
そして2日目からは四六時中証拠調べ。
検察が用意した遺留品やら現場検証の様子、供述調書など
全てに読み上げ、提出するという作業を朝から晩まで。
もちろん途中1時間~1時間半に1度休廷を挟みます。
そして私達は提出された証拠を元に被告人に質問します。
そんな眠たくなるようなやり取りを3日間ほどやり、
4日目あたりから被告人の関係者が出廷し、証人尋問と
情状を訴える。
で、4日目の午前中に検察側の論告求刑、弁護側の最終弁論、
被告人の最終陳述で一旦終了。
後は別室の評議室で全員で評議。
有罪無罪の判断と量刑を評議します。
残念ながらこの評議内容は生涯にわたって守秘義務が
発生しておりますので何もコメントできません。
みっちりと2日ほど評議し、最終日に判決の「宣告」です。
宣告が終わると今回の裁判が閉廷し、評議室に私達も戻り、
諸手続きを終え、裁判員職務が解かれました。
えぇ、無事に職務を全うしたわけです。
感想としてはですね、なんだか最初のイメージだと
裁判員で裁判に参加って言えども、結局は裁判官の
判断に引っ張られるというか、国民の参加って言う
パフォーマンス程度で、たいした裁判員の役目なんてのは
無いと思っていたんですよ。
だけどね、裁判員の意見もしっかり反映するし、平等に
意見を言えるし、自由に質問できる。
法律の知識があるかないかの違いだけで
裁判そのものに対しては同じ権限を持つという
非常に負担の大きな仕事でしたね。
その分、やりがいもある程度あったし、裁判官3名と
裁判員6名と補充裁判員2名での11人の結束みたいな
チーム意識が徐々に高まっていきましたね。
まぁ裁判員は最後までお互い名前も仕事も知らないまま
でしたけどね。
あと、感じたのは
「裁判官も同じ人間」なんだなーとしみじみ思った。
評議以外の休憩時間とか昼食中とか色々喋るんですがね、
人が人を裁くわけですから、決して裁判官も「神」のような
存在ではないってことがわかりました。
お蔭様で普段は中々接することが出来ない裁判官が
非常に身近な存在になりました。
至って彼らは普通に過ごされてるようです。
そうそう、我々は評議室で1日中過ごし、公判がある時は
評議室からみんなで法廷に移動するというような日々なんですよ。
そこでは我々8名の裁判員に加え、裁判官も同じように同じ場所で
過ごすんですよね。
ですから昼食も一緒に摂るんですよ。
てっきり彼らは裁判官室みたいなところで昼食を摂るかと
思いきや、数日の限定だけどチームワークを大切にしたい
という思いから一緒に過ごすようにしてるらしい。
裁判長の意向でね。。
その意向のお陰もありましてね、まぁ和気藹々とチームワークは
感じたところですね。
まぁ評議の中で何が、どんなことを、誰がなどは
生涯守秘義務を負うようなんで言えませんが、
やはり、人が人を裁く、または素人として人を裁かなくては
ならないということもあり、それぞれ真剣に考えてました。
私も一種の責任感を持ちながら、無い頭をフル回転し、
あくまでこれまで培ってきた経験上の市民感覚で、
しっかりと双方の証拠を元に精一杯考えました。
みなさん、そのように一生懸命考えたと思います。
私達の意見に裁判官も「なるほど」と思ってもらったり
専門家の彼らでは思いつかないような視点で意見を
伝えることが出来たと思います。
そしてそれをちゃんと反映してくれたと思います。
裁判長も、裁判官だけの意見ではなく、あくまで
全員で考えて一緒に判決、量刑を決めようという
スタイルだったので「自分も参加しているんだ」
という気持ちにさせてくれました。
そんな感じだったので普段考えないようなことを
考えるわけですから、非常に疲れましたね。
達成感ややりがいを感じたのはもちろんですけど
負担は大きいと感じました。
なので裁判の日程など2日間ずつとか、間を取ってくれると
会社員などは助かるかなーと思いますね。
この裁判員制度、まだまだ改善の余地は
あるのかなーと思います。
やっぱりね、家に帰ってからも裁判のことを
考えたりしちゃいますね。
中々家族にも詳しくは言えないけど
家の中で考えてしまうよね。
まぁでも僕は僕として、自分が感じること、
出された証拠を元に感じること、感情的にならずに
冷静に証拠で判断し、他の方と違意見が違ったとしても
私自身が感じたことを伝えると心掛けました。
それこそが「裁判員制度=一般市民の参加」の意義
だと思ったからです。
私は参加して、選任されて良かったと思います。
中々経験できないことを経験できて
自分の見聞や経験値が広がり、得たことは
非常に貴重な経験だと思います。
どんな事件とかに限らず万が一、候補者または選任されて
しまった場合は、是非とも辞退せずにやってみてほしい
と心から思います。
きっとかけがえのない貴重な人生経験となるでしょうから。
その後、被告人が控訴したのかどうなのか、あるいは、
既に服役しているのかなどは、
裁判員としてこの裁判に参加した事情があるので
気になる人は個別で裁判所に聞けるらしい。
そんなこんなで私のミラクルな経験を綴りました。
おまけ。
ある日の昼食です。
日替わりで弁当の出入り業者が来るらしい。
前日に注文をするんです。
ある日の弁当は唐揚げ弁当です。
唐揚げが弁当箱からはみ出てる!!
名物らしい。。
ちなみに昼飯は自腹です。。
帰りに何回か一人呑みしました。。
普段と違う生活スタイルだから帰り一杯やって帰りました。
そうそう裁判員としての最終日、正に職務が解かれた際に
裁判所からこんなものを頂きました。
裁判員バッジ…笑
シリアルナンバー付きの貴重なお品物。。
まぁどこで使うんだよって感じだけどね。。
まぁ参加に対しての記念品だそうです。
これと感謝状なるものを頂きました。
そんな感じで私の裁判員としての体験談を綴ってみました。
こんな確率の低いものに当たったからオータムジャンボで
再挑戦しようかしら。。。
というわけで何か体験者として聞きたいことが
ありましたらお問合せ下さい。
話せる範囲で話しますよ。
守秘義務は厳守するので悪しからず。
ではでは次回の更新までお元気で~~