Yoga ~precious moment~

″いま、ここ″ を大切に

映画『ガンジスに還る』♪

2023-11-04 11:20:00 | yoga
金曜日の午後は、国立民族学博物館@万博記念公園に移動して、2016年の映画『ガンジスに還る』を鑑賞。
※ネタバレあります。

太陽の塔、前回とは違う角度から




と、森のトレイン🚂



突然「死期を悟ったからバラナシのムクティ・バワン(死を待つ家)に行く」と言い出すおじいちゃん・ダヤと、その息子夫婦や孫娘の物語。
在日インド大使がご登壇くださったり、監督さんからもビデオメッセージがあって感動🥺「ぜひ感想を聞かせてください」と言われたけれど、どこへ送れば…?

解説の三尾稔先生も仰っていましたが、解脱というよりも、死というものに対する本人や家族の受け止め方、引いてはどう生きるか?を描いているように感じました。
ただ、ヒンドゥー教で死をどのように定義しているか?を知っているとより楽しめるとは思います。

ヒンドゥー教では、魂は輪廻転生するとされています。我々は老い、病み、死ぬ、そしてそれを繰り返すためにまた生まれる…この輪廻を断ち切ることこそが、あらゆるしがらみからの解放であり、究極の到達地点=解脱です。だから、死を待つ家はムクティ(解放)バワン(館)と呼ぶんですね。
解脱に至る道は複数ありますが、三尾先生曰く、大きく分けて三つあると。
一つは「神への献身」。中でもラーマやクリシュナ(どちらもヴィシュヌのアバター)を賛美する人が多く、映画の中でもラーマの讃美歌を歌ったり、ノートに「ラーマ、ラーマ、ラーマ…」と永遠に綴ったりしている場面がありました。
対して二つ目の「ヨーガ」はシヴァ系。座法や呼吸を整えて感覚を制御し、瞑想により自分は神と合一であり輪廻する存在ではないと気づくこと。
そして三つ目が「バラナシで死ぬこと」。シヴァが作った都・バラナシで死ねば、誰であろうと即解脱できると言われているのです。

そのため、ダヤはバラナシで死にたかったのです。
とは言え、ラーマの讃美歌を唱えたりヨガをしたりもします。呼吸法はカパラバティをよくしていました。あと、片鼻呼吸は左から吸って右から吐いていたような…?とすると、私がまだ経典を見つけられていないチャンドラ・ベーダナか?
面白かったのは、バワンの管理人が「僧侶にお布施はしなくて良い。その程度の善行を積んだところで今更だ」と言うところ。そうなのか⤵︎😅

ムクティ・バワンでは、入居した翌日に亡くなる者も居れば、ダヤと親しくなった女性・ヴィムラなどは、夫を亡くしてから18年間も居ると言う。
そのヴィムラが亡くなった時、ダヤがこんな詩を読みました
〜バング(大麻)入りのラッシーを飲み干してガンガーを見ると、ヴィムラが空を飛んでいた。バングの幻覚かと思い「ヴィムラ」と呼ぶと、ヴィムラは「私はもうその名前ではない、アートマンだ」と答えた〜
"アートマン"という言葉は字幕に出なかったと思います。出すと、アートマンとは何か?の説明が必要になりますし。
こういうところを知っていると楽しめると思いますので、ヨガをされている方には特におすすめします!


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