第一話 逆さまのチューリップ
第二話 信長公のスイーツ
第三話 さそり座の星
第四話 紫式部の白いバラ
第五話 蛍の集まる草
第六話 桜に秘める
6編の連作短編集。
主人公は、姉の植物店で働く実菜さんと植物園で働く神苗さん。
実菜さんは、植物の探偵でもあります。
つまり、植物にまつわることの謎解きです。だから、それぞれの物語に花が登場してきます。
「信長公のスイーツ」ではローズマリーが登場します。
信長とローズマリー、はてさてどんな関係があるのか…。
「さそり座の星」は、酔芙蓉。星と花ってどんな関係?
紫式部と白いバラの関係は?
「蛍の集まる草」はツワブキが登場です。どうしてツワブキに蛍が集まるのか?
「桜に秘める」では、桜に何を秘めたか?
とてもテンポよく、謎解きは進んでいきます。読みやすくてわかりやすいです。
一話一話、とても短い話ですが、奥は深いです。
それは、植物の奥深さであり、人の奥深さ。
いろいろな人間関係の中に登場する植物がとても存在感があり、思いがけない方向へ読者を運んでくれます。
まるで種になって飛んでいくような。着地点はここなの???って感じです。
実菜さんと神苗さんの恋も登場しますが、この1作目では進展はありません。
二人の恋は、2作目に期待です。

