先日読んだ千早茜さんの「グリフィスの傷」が読み応えがあったので、また彼女の描く物語を読みたくなりました。
「マリエ」は香水の名前、そして主人公の名前は「桐原まりえ」。
どんな匂いか気になりますよね。
「繊細なマリッジブーケをイメージして作られて香り」、と物語の中では説明されています。
まりえさんはこの香りを離婚の手続きの後に買って物語は始まります。
そもそも何故離婚したのか?については謎です。
夫の藤崎さんが「恋愛がしたい」と切り出し、まりえさんがそれに応じたという形ですが、ふたりとも本心は別のところにあるように思えます。
私は、夫の「恋愛がしたい」は、まりえさんの反応を探りたかった故の言葉のような気がします。
本当は「子供がほしい」だったのかも?なんて思って
まりえさんも本当は「子どもを産みたい」なんじゃないかな?
だから、揺れるのでしょう。
結婚するのかしないのか、子供を産むのか産まないのか、結果はわからないまま物語は終わります。
どの道を選んでも、まりえさんはまりえさん。
名の通った会社で仕事をこなし、清潔な明るい部屋に住んで、おいしいものを作って食べて、お気に入りの香水を買ったり、お酒を飲みながら愚痴る相手もいるし、先輩や友人にも恵まれている…もうすでにうらやましい幸せを手にしています。
十分幸せじゃん!!
って今思って
ああ、だから揺れるのねって気がつきました。
揺れるところは、そこしかないのだから。
<本文より>
そうなのだ、人は役割に流されて欲しいものや本当の気持ちを忘れていく
千早茜さん、嵌りそうです。
また読みたい!