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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

包丁タテつくりました

2013-03-31 | DIY
台所のシンク下収納扉に、作り付けの包丁タテがあったのだけど、プラスチックが劣化して包丁がスコンと下へ抜けるようになってしまいました。危ない~
しばらく、ビニルテープでかみさんが応急処置して使っていたのですが、劣化ってのは一気に来るもので、何箇所も割れてきてしまいました。

プラスチック製をまた買っても良いのだけど、ちょうど本立て作りで余った木材があったので、それを使うことに。
割れたプラスチック製を取り外し、それを型紙代わりに大体のサイズを取って、作ってみました。

横と縦の長さは、同じようなサイズに出来たんだけど、木の厚みがあって、予想より厚いものに。
シンク下はボールとか、ザルとか大きなものが多いので扉が閉まるか心配だったけど、ぴったり扉もしまって一安心。

勢い余って木材が欠けちゃったりしてますが、まあ使えるものができてよかった!


ドイツの社会的銀行/GLS銀行

2013-02-13 | 環境
GLS銀行という、社会的事業にのみ融資する銀行のお話を聞いて来ました。


1 勢いに乗った社会的銀行

GLS銀行は1974年に設立した市民組合が起源のドイツの社会的銀行です。社会福祉やエコロジー的な事業に特化して貸出を行っています。つまり、GLS銀行に預けたお金は、社会を持続的にする事業にのみ使われることになります。

ドイツではフクシマ原発事故の際、すぐに原発を停止し早期の原発全廃に方針転換しましたが、「私が銀行に預けたお金は原子力産業に使われていないだろうか」という疑問を多くの人が持ったそうです。その結果、GLS銀行の口座開設者および預金額は増え続け、近年うなぎ上りとなっています。

右肩上がりな売上高、運用額のグラフ。

2012年の売上は27億ユーロとメガバンクに比べると小さいものの、まさに乗りに乗っている勢いのある金融機関です。



2 運用先の公開

驚くことに、GLS銀行は運用先を全て公開しています。4半期に一度、冊子を発行しているのですが、そこに各案件の概要と貸付額を掲載しているのです。これはドイツでも非常に珍しいことだそうです。日本では聞いたことがありません。

この公開性は、GLS銀行にとってはプラスに働いていると思います。自分のお金がどんなことに役だっているのか、預金者は知ることができ、成果を感じられればさらにファンになります。これはおひさまファンドにも参考になりました。おひさまと同じく、事業成果を視察する出資者ツアーも実施しているそうです。


すごくおしゃれな冊子です。子供向けのイラストなど一切なし。写真、デザインがかっこいいです。


冊子の巻頭の代表者。美人ですね~


3 お金に意志を乗せる

日本の銀行、ゆうちょなどでは、預けたお金に意志をもたせることが非常に難しくなっています。もしかしたら、原発推進の大電力会社や、CO2削減に反対している経団連の所属企業に流れているかもしれません。メガバンクへの貯金だとその可能性が高く、信用金庫や地方銀行ならその割合は少ないけれど、それでもどこの誰さんのどんな事業にお金が使われたか知ることはできません。(おひさまファンドのような「市民出資」であれば、出資金を「自然エネルギー事業に使う」ということははっきりしています)



4 民主的な運営

GLS銀行では、「組合事業」として金融業務を行なっています。「組合」では、いくら出資しようと「一人一票」の発言権です。株式会社だと、大株主が発言を持っているため、株を持っていても庶民は意思決定から排除されます。僕はこの話しを聞いた時に東電、中電、関電の株主総会を思い出しました。「原発から撤退」を求める株主提案をしらっと無視する議事進行が平然と許されていました。これは、大株主が原発推進を賛成していたからで、少数派に何を言われても経営陣は全然関係ないのです。

しかし、一人一票の組合総会であれば、どんな声も無視するわけには行きません。GLS銀行は現在3万人の総会参加の権限をもった組合員がいて、実際に参加するのは約800人だそうです。800人の声を聞く年次総会って、運営はかなり大変なことでしょう。開催場所を分けたり、数を増やして分散開催を検討していることでしたが、そうまでしても「みんなの声を平等に聴く」という民主制にこだわって、組合を続けているそうです。



日本でも、おひさまファンドやミュージックセキュリティーズなど、「市民ファンド」として、お金に意志を持たせて社会を変えようという活動が始まっています。将来はGLS銀行を手本に、社会的銀行もできてきたらいいですね。同時に、地域内で活動しているローカルな信用金庫があり、「信用金庫がグリーン(エコ)になる」、という方向も現実的だと思います。FITができて長期的な安定性が高い再生可能エネルギーの分野には、地域金融機関がどんどん資金を入れるようになるでしょう。GLS銀行でも市民のエネルギー組合への融資をたくさんしているのですが、「FITがあるので、太陽光発電事業については3つの指標を入れればある程度の事業判断が出てくるようにマニュアル化して審査している」というほどポピュラーなものになっているようです。長野県でいえば、飯田信金、八十二銀行、茨城で言えば常陽銀行、水戸信金の役割は大きくなります。ドイツのように個人や農家、中小企業がエネルギー事業の担い手になるとき、スムーズに資金を融資できるかどうか。FITによる20年間の安定した収入は、預貸率が50%程度の地方銀行にとっても、有力な貸出先になると思います。ちなみに、GLS銀行では75%近くまで貸し出したいと言っていました。

GLS銀行にはまだ日本の銀行関係者は視察に来ていないそうです。

我々が一番早いというのは、うれしいような残念なような・・銀行の人が視察されたら、本当に参考になると思います。

ドイツの太陽光発電

2013-02-01 | いろいろ
※一部、修正しました。産業用をまずは普及させて次は家庭用が普及したと書いていたのですが、よく確認しましたらむしろ意識ある市民から導入が始まり、家庭も産業も一緒に普及してきたということです。



2000年に固定価格全量買取制度(長期間、高い価格で全て買い取る)が始まっていたドイツでは、2009年から家庭向けの余剰売電(自家消費して、余った分だけ高く売れる)を進めてきた日本とは違った太陽光発電の普及がされていました。(日本でも2012年からは、産業用は全量売電になりました)

日本だと家庭用の太陽光発電(3~4kW)をよく見かけますが、ドイツでは20kW~50kWくらいの中規模なものが目立っていて、僕の回った市街地では家庭用の普及率は飯田市の半分くらいな感覚でした。
なぜドイツでは大きなものが存在感があるのか。

ドイツでも、まずは意識ある市民が太陽光発電に取り組み始めたそうですが、10kW以上でもそれ未満でも、全て全量買取の対象であったため、小規模な家庭用、市民共同出資および農家や中小企業による中規模なもの、メガソーラーの大きなもの、すべてが同時に普及してきたそうです。

ただし、都市部では日本に比べて持ち家比率が低いので、家庭用はあまり普及していません。農村部で日照条件のよいところでは、家庭用も普及しているそうです。

ドイツでは今はすでに買取価格が大きく下がったため、大きいパネルでないと収益がでないため、今後は中・大規模がさらに増えていくことが予想されています。なお、通常に買うよりも太陽光の電気のほうが安くなるグリッド・パリティに到達したので、これからは売電ではなく自家消費型も増えていく見込みです。

さて、ドイツで見た太陽光の様子を紹介します。

農家の大きな屋根。農家にはよく付いていました。

フライブルク・ボーバン地区(車が厳しく規制されている)の公共駐車場の屋上パネル。市街地の周辺部で車を降りてトラムに乗り換える交通政策のシンボル的拠点に、ソーラーがたくさん付いています。

フライブルクのサッカー場。15年前、ドイツではじめてサッカー場に全面的にソーラーが載ったところ。市民が多く出資しています。

高速のサービスエリアの屋上が全面ソーラー。30~40kWくらいかな。

カッセル市エネルギー公社屋上の薄膜ソーラー。ここにみんなで立って、記念撮影したけど発電量減っちゃったかな?








「黒い森」の森林管理

2013-01-28 | いろいろ
ドイツ南部の「黒い森」。
ドイツ在住の森林管理の専門家・MITの池田さんに、ここの森林管理を教わって来ました。
上の写真は、林道にあった環境教育用の展示。この森にある木が解説されています。
ドイツの森は木の種類が少なく、ここに展示されている8種類がわかれば、8割方はわかるそうです。
というのも、1万年以上前の氷河期にアルプス山脈を乗り越えられず、木々がいちど壊滅してしまったからだそうです。


こんな仕掛けも。小さなトーテムポールのような木で、顔が開いて、森についての解説が出てきます。


ドイツの森林管理の特徴は、「多様性」を守ること。
200年以上の森林管理の歴史の中で、森の多様性を保った天然更新に行き着いたそうです。
太い木、細い木、立ち枯れした木・・いろいろな木があります。
間伐はしますが、一気に面的にするのではなく、勢いのある木をさらに伸ばすためにその周囲を間伐します。
適度に管理することで(画一的にしない)、新しい木が自然に生えてきます。
自然に生えた木は、植林した苗木よりも根がしっかりしているし、遺伝子的にも強い。
様々な年代の木があることで、いつの時代にも適度に森のめぐみを得ることができ、収入につながります。「おじいちゃんの時代に植えて、お父さんが育成して、孫が収穫する」というような世代間の不公平もありません。

でも、ドイツの森も失敗がなかったわけではなく、試行錯誤をしています。

これは、森のシンボル「キツツキ」の彫刻。森の中にありました。
70~80年代にキツツキが黒い森から消えてしまいました。
なぜか。
キツツキは、木の中の虫を食べます。虫がつく木とは、弱った、病気の木です。
かつては病気の木は完全に処理して持ち出し、健康な木だけの森にしていたため、キツツキのエサがなくなってしまったのです。
立枯した木を残しておくと、そこにはバクテリア、虫など約600種もの生物が棲むそうです。
生物多様性のある森は、トータルでは病気にも強くなります。
単一性が高いと、一気にやられてしまいますが、多様性が高いと、害虫がいれば益虫もいる、という状況になり全滅することがありません。
その場の命の多様性を保ち、画一的な環境にしない考えは、日本の「自然農法」と似ているなと思います。

こうして多様性を保った森では、約3%ほど木の体積が成長します。
つまり3%の利回りを得られるようなものです。
3%の利回りの範囲で切り出していけば、元本には手をつけず持続可能な林業経営をすることができます。
自然の恵みの範囲内で、人の経済活動をしていけば、持続可能な環境と経営が達成できるのです!
よく考えれば当たり前ですが、これはハッとする指摘でした。

搬出のための山道(森林基幹道)も非常によく考えられていて、道の両サイドが下がっています。つまり屋根のようになっていて、水がわきに流れていきます。山なので傾斜がありますから、傾斜の下側の水はそのまま下に流れます。上側の水は、道の端っこの溝を流れるようになっていて、ところどころ暗渠があり、道の反対側に流れ落ちます。
水をしっかりコントロールすることで、丈夫で効率的な作業ができる道ができています。
30トンも運べる大きなトラックが、森の中のどこの場所にでも簡単にアクセスできるように作ってあります。アスファルトは使わず、しっかり踏圧し、じゃりをひいただけです。
林業労働者の給料は日本より少しむしろ高いのですが、この素晴らしい森林基幹道により、輸送コストが大きく下がっていて、トータルでは競争力を持ち得ています。日本では細いアスファルトの林道が、非効率的に通っているため、切り倒した木を重機で山の下へおろし、再度トラックに積むそうですが、ドイツでは切ったら林道からウインチで引っ張り、すぐにトラックに乗せて持ち出せるようになっています。

ちょっとわかりにくいですが、両脇が低くなっていて、水が落ちるようになっています。
もしフラットだと、水が溜まる場所ができて、そこから弱くなって道が壊れてしまいます。
日本の現在の規格では、ドイツのような森の道はつくれないそうです・・(でも、北海道のある地域では、林野庁にこの基準の変更を求めて、ドイツ式の道を整備し始めたそうです)


森の中へ向かう道。
森の中では、ノルディックウオーキングや、ジョギングをする人にも会いました。
森のレクリエーション機能もとても大切なものです。

こうした森の管理は、「森林官」による指導によってなされています。
民有林、国有林の関係なく、森林官が林業経営のアドバイスをしているそうです。
そして、森林官はシカを狩猟もしています。
今では狼がいなくなったため、シカを制御しないと若芽が食べ尽くされ、自然な木の更新ができなくなるからだそうです。

森林官のランゲさんから聞いた「持続可能な多様性」という言葉が、強く印象に残りました。
会社でも、家族でも、多様性が大事なのはきっと同じですね。


我が家の節水チャレンジ

2013-01-22 | DIY

うちの水道代、上下水を合わせて2ヶ月で18000円くらいかかっています。
ちょっと高すぎで、前々から気にしていました。

子どものおむつやら食べこぼした服やらの洗濯で、洗濯好きな奥さんは一日に何度も洗濯機を回しています。
お風呂は毎日入るし・・、洗濯機でお風呂の残り湯を使うのは奥さんが消極的。
そのため、節水はなかなか手がつきませんでした。

そしたら、先日奥さんが借りてきた雑誌にアズマカナコ(ブログ:エコを意識しながら丁寧に暮らす)さんという東京の下町の民家でエコな暮らしをしている人の記事が出ていて、
その方の節水の取り組みがインパクトありました。
雨水タンクを庭に設置して、その水をポリタンクに汲んでトイレの貯水槽にいれて使っている。洗濯は、洗濯板で手洗いをして、基本料金(約1500円)以外はかかっていないというものでした!

うちではアパートなので雨水タンクを設置はできないけど、でもお風呂の残り湯が毎日大量にでます。
これを使って、アズマさんと同じく、ポリタンクからトイレの貯水槽に入れることにしました。

ホームセンターで10リットルのタンクを買ってきて、残りを貯めます。
トイレの水道の栓を閉めると給水されないので、流し終わったら、コポコポと貯水槽に水を入れます。
2週間トライした結果、どうやらうちでは40~50リットルの水を毎日トイレに流しているようです。
徐々にタンクを増設し、4つにしました。
意外と、トイレに水を使うもんです。

難点は、タンクがちょっとかさばることと、水を入れると重いこと。給水がちょっとめんどうなこと。
「便利を少し減らして、エネルギーをかけて浄化する水を減らせて、水道代を節約できる楽しみ」が得られます。
ほどよい体を使った運動と思えば、給水も苦ではないです。

さて、いくらくらい水道代が減るかな。


こんなふうに、トイレにポリタンクを置いていて、流したら上の写真のように給水します。
最初にトイレに付いていた手を洗える蛇口のある陶器のフタは外してしまい、白くペンキで塗った合板をフタにしました。