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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

農の世界に入る人

2005-10-03 | 2008年1月まで
機会があって、これから新規就農するという若者2人と話をした。一人は28才の同級生の人で、これまでSEとして4年働いたあと2年間は企業の環境報告書をまとめる仕事をしていた人で、農業の経験は全くないが、長野で1年研修をして有機農業を始めるという。体格もがっちりとしていて農業には向いていそうだが、ちょっと不安も持ちつつ、でもこれをやるぞという気持ちも強いものがあった。頭もよく回転する人だったので、独自の路線で経営をしていくんじゃないかという気がした。自分と同じように、学生のころから環境問題への意識を持ち続けて、仕事をしてきた中で、やっぱり農業をやろうと思ったそうだ。
もう一人は、まだ4年生の農学部の学生で、卒業後はおじいちゃんの畑を継いで農家になろうという人。実家が農家ということもあって、まわりの反対もなく、さらっと農の道に入るようだ。ただ、こちらも単純に作物を作るのではなく、地域とどうつながるかを考え、仲間と協力して・・と経営戦略を考えている。若いのに、すっとその道に入って、具体的な課題を考えているのに驚いた。
僕らの世代(20代後半~30)は、オゾン層の破壊を心配したり、温暖化が騒がれ出して京都会議(1997)が開かれたり、風の谷のナウシカを読んで絶望したり(自分は大学まで読んでいなかったけど)、環境問題への関心を持っている人がそれなりに多い。でも、例えば大学で環境サークルをやっていたとしても、卒業後は普通の大・中企業に就職したり、国家公務員、地方公務員になったりで、既存の枠組みのコースにはまっていることがほとんどだ。「私、有機農業始めます」と、すんなりできる人は少ない。でも、ぼくらより3,4年あとの人(20代中~前半)は、大学卒業後すぐに農業の研修をして、新規就農する人が増えている。若い人ほど、既存の枠組みから自由になっているんだろうか。

先を行かれるようですごいな~と圧倒され、刺激になった。自分も市民農園ではあるけれど、もっと研究してまじめにやろうと思った。そして、自分にとっての農・食を基本に据えた生活はどんなものなのか具体化するために、しゃんとして、よく眼を開き、体を動かそうと思う。