沖永良部島の本家に先祖代々の家宝として保管されている物の中に、古い時代の陶磁器があります。
これまでは門外不出として一般公開はされず、ずっと大切に保管されてきました。薩摩藩が系図の取り上げと共に島の人々には高価な物は必要ないといって、このような物も取り上げていたそうですので、その薩摩から守るために、門外不出として隠し続けていたのでしょう。
実際に、薩摩から島に赴任していた役人たちがよく家にやってきていたそうです。それは宝がないかチェックするためだったのか?遊びにきていたのか?は分かりませんが、当家の場合、与人職をしていたのでいつ家にやってくるのかが分かっていたので、その時は親族の家に持ちだしていたそうです。そうやって守り続け薩摩に没収されずに残った品々の一部がこちらになります。
飾り物としての品ではなく実際に使用していたようで、かなり年季の入ったお品でございます。
湯呑かな?
こちらは四本爪の龍のようです。
以下の陶磁器に刻印されている年代を見ると、明の時代の物です。
太明成化は1465年 - 1487年。この時代に中国で作られた物だと思われます。
琉球の第一尚氏時代が1406年 - 1469年と言われていますので、これは第二尚氏時代に入ってから入手したものかもしれません。
嘉靖年代は1522年 - 1566年。この時代に中国で作られた物だと思われます。
第二尚氏三代目の尚真王~五代目の尚元王の時代の物ですね。この時代というのが、先祖探しの何かポイントになるかもしれません。
昔はもっと沢山の物が残されていたと聞きます。しかし時代を経て破損したり紛失したりなどで、だんだん少なくなっていったようです。しかし、第二次世界大戦時には、島にも空襲があったりしています。その中で守り抜いたのは凄いと思います。
北山王の次男であった眞松千代こと沖永良部島の世之主の時代の物が現存していないのは、非常に残念です。お爺様の記録をみると、昭和の前半頃までは世之主が使っていた陶器類が保管されていたようなのですよ。