先祖調査をしていると、暦を見ることが結構あります。
例えばご先祖様が亡くなった日付であるとか、昔から行われていた行事の日程であったりと。
先日ご先祖様の霊位を見ていて、そういえば亡くなった日は旧暦で書いてあるってことだよな~って気が付き、そもそも旧暦と新暦って何だろう?
言葉が知っているけど、その中身は全然知らないな~っていう自分に気が付き調べてみました。
まず、そもそも旧暦と新暦では何がどう違うのか?
旧暦とは?
旧暦(きゅうれき)とは、改暦する前の古い暦のことです。
月の満ち欠けをもとに、季節をあらわす太陽の動きを加味して作られた「太陰太陽暦」が使われていました。一口に太陰太陽暦といっても、歴史の中ではたくさんの暦法(計算の規則)が使われてきましたが、現代の暦になる前に使われていた「天保暦」と呼ばれる暦法のことを、一般には「旧暦」と呼んでいます。
新暦とは?
新暦(しんれき)とは、改暦した後の新しい暦のことで、簡単に言えば、いま現在使用されている暦のことです。
いま現在私たちが使用している暦(新暦)は”太陽暦”と言われる暦で、地球が太陽の周りを1周する時間を基準にした暦になります。
1年間が365日と決まっているのも太陽暦という暦を使用しているからで、
地球が太陽を1周する時間が約365日なのでこのように決められています。
(正確にはちょうど365日ではありませんので、うるう年で調整)
地球が太陽を1周する時間が約365日なのでこのように決められています。
(正確にはちょうど365日ではありませんので、うるう年で調整)
太陽暦の中にもいくつか種類があって、その太陽暦の中の”グレゴリオ暦”という名称の暦を使用しています。グレゴリオ暦(太陽暦の中のひとつ)は、日本を含めて世界中で使用されている暦になります。
詳しい暦のとらえ方などは割愛しますが、要は暦の数え方が月か太陽を使っていて、数え方などが違っていたのですね。
それではなぜ暦を変えたかというと、明治政府が欧米に合わせた暦を使って近代化を推進させるためだったと言われています 。
新暦のスタートは?
旧暦から新暦へと変わったのは、明治5年12月2日までが旧暦です。
翌日の明治5年12月3日から新暦となるのですが、ここで驚きの展開です。
なんと!翌日の12月3日になる日はずの日は、全く新しい日付である明治6年1月1日になってしまったんです。
うひゃ~29日分はどこへ行ったのやら???
前年の12月4日~31日に生まれた方はお誕生日会もできませんね~
これまでに生まれていたみんなの年齢の数え方も1ケ月ほど早く次の年齢になっちゃいますよね。
いやいや、それまでも閏月なんてものがあったようなので、そのあたりはみんな慣れていたのかな?
現代でも年号が平成が令和に代わるだけでも、社会全体として事前に色んな対応が必要ですが、日付まで変わってしまったとなると、当時の人々は大混乱だったのではないでしょうか。
しかもですよ、22日という大変短い期間で改暦に踏み切ったそうなんです。これは明治政府の財政がひっ迫していたことが背景にあったようです。実は旧暦では閏月(うるうづき)と言い、一年が13ヶ月ある年が数年に一度あります。
改暦された明治5年は閏六月があり六月が二回ありました。赤字財政の政府は、旧暦から新暦に切り換えるタイミングを十二月初旬に持って来ることで実質的に二ヶ月分の公務員の給与を支払わなくてすんだということになります。
改暦された明治5年は閏六月があり六月が二回ありました。赤字財政の政府は、旧暦から新暦に切り換えるタイミングを十二月初旬に持って来ることで実質的に二ヶ月分の公務員の給与を支払わなくてすんだということになります。
これが改暦した大きな狙いだったそうです。
12月は2日だけ働いたことになりますが、2日分の給料は出なかったという話です。
当時の財政責任者は大隈重信。岩倉具視や大久保利通らが欧米視察にいっている留守中の出来事だったようで当然混乱は相当大きかったようです。
当時の財政責任者は大隈重信。岩倉具視や大久保利通らが欧米視察にいっている留守中の出来事だったようで当然混乱は相当大きかったようです。
幕末から明治にかけては急速な変化があり、暦もその1つ。そして暦だけでなく日本の衣服文化もこの時期に西洋風に変わっていきましたね。
そして沖永良部島はどうだっかというと、同じく明治5年12月3日から新暦にかわりました。しかし、一般家庭ではしばらくは両方を使っていたようで、完全に新暦に切り替わったのは太平洋戦争後だということです。改暦が行われて約100年後ということですね。
そんな旧暦と新暦のこと、ネット上では読み替えができる便利なサイトもありますので、ご先祖様の生まれた日や死亡日などを新暦に直してみたりして、楽しんでおります。
(旧暦と新暦では1~2ケ月ほど違うので季節感が変わってきます。)