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先祖を探して

Vol.359 泉川古墳群:4号墓のこと

泉川古墳群の谷の方にあるお墓の中で一番目を引いたのは、この4号墓と呼ばれるお墓でした。
他の7号と8号のお墓と同様に、石灰岩の壁面の洞窟を納骨堂として使っているお墓で、入口はブロックで塞がれていますが、このお墓には2つ特徴がありました。
まずお墓の前面に広い空間があり広場になっている点です。


写真では伝わりにくいですが、けっこう広い空間があります。
木々の隙間から太陽の光が差し込み、美しい新緑に囲まれ、小鳥がさえずり、とても不思議な安らぎを感じる空間です。お墓の前とは思えない、安らぎと不思議なパワーを感じる場所なのです。

この広場は、戦時中は野戦病院として使われており、当時はこのような洞窟のお墓(トゥール墓)は防空壕としても使われていたといいます。中のお骨をよけて避難していたそうです。
そしてこのお墓の周りには畑もあったようですが、人骨が散らばっていたそうです。それは大昔の風葬時代の人骨であったのかは分かりませんが、古老の話によれば当時の畑にはたくさん散らばっていたそうです。


もう1つの特徴は、お墓の右側に何やら拝所のような場所があることです。
他のトゥール墓には見られない、香炉以外に何やらコンクリート製でしょうか石棺のようなものも置かれています。まさかほうきなどの掃除用具入れとか、、、それはさすがに違うと思いますが、これらはいったい何であるのか、とてもとても興味深い場所です。



誰のお墓であるのかは分かりませんが、何か祀りごとを行うための場所だった感じがします。大きなガジュマルの根がこの場所をしっかり守ってくれているようですが、有力者の一族のお墓だったのか?
本当に不思議な不思議な空間です。


そしてよく見ると、お墓の入口はブロックで塞いだところだけでは無さそうです。ブロックの右側はガジュマロの根っこの下の拝所までずっと石が積まれており、この洞窟は横に長い穴だったようです。奥行きは分かりませんが、それなりに広い洞窟だったのではないかと思わせます。



それにしてもガジュマルの根が凄いですね。自然の木々の力強い生命力を感じます。
満ち溢れる生命力のパワーの中に、ひっそりと眠る死者の亡骸。生と死が入り混じった本当に不思議な空間でした。

ここに眠る墓主や謎の拝所について、何か分かったら追記したいと思います。


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