非才無才の雄叫び

つぶやくこと、叫ぶこと、すべてボケ防止だ!

集団的自衛権と中国六場戦争計画と「戦争させない1000人委員会」の論議に潜む暴論と!

2014-09-13 00:05:09 | 日記
まず断っておくが当方も戦争反対、戦争して欲しくないとは
思っているが、かといって国を守る為には戦わなければならないと
強く思う一人だ。
「集団的自衛権 中国六場戦争」のキーワードで検索すると当方の
ブログに続き「戦争させない1000人委員会」の記事が「PDFでダウン
ロード」と案内があった。多分、1000人委員会や、その支持者たちが
意識的にクリックを集中させて、「読んでみろ」とばかり、このキー
ワードでの上位表示をなしたものと当方は受け止めた。感謝したい
思いにかられて、早速プリントアウトして読んでみた。
 当方の好きな加藤登紀子さんなど著名な人たちが名を連ねていて、
正直、少々困惑したが、納得できるものがあるのじゃないかと期待
しながら読み始めた。

  最初は「8.28学習会」というタイトルがあって、東京新聞の論説兼
編集委員の半田滋氏の講演の内容が6項目に分けて記述してある。
まず半田氏は6つの論点を述べる前に国連憲章51条が定める「自衛
権」の概念や定義に触れているが「例外的なものとして自衛権を行使
し得るということだ」
と書いているが国連憲章第51条には例外規定は
ない。憲章が「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合
には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置
をとるまでの間、個別的、集団的自衛の固有の権利を害するもの
ではない
」と定めているが、その際の「個別的、集団的自衛権」
は国連が「措置をとるまでの間」の「例外的な権利」であるなど
とは書いてはいない。
文中の「措置をとるまでの間」を例外を示唆したものだと半田氏が
受け取っていたとしたら理解力が低いということだ。この後の「固有
の権利」という文言は「例外」とは全く真逆の言葉で、ここでは
「本来その国が持っている権利」という意味だろう。この51条の
文章は「国連安保理が・・・必要な措置をとるまでは当事国が本来有
している個別的、集団的自衛権を行使することを妨げない」とい
う意味なのに論説委員は、どうしたのか?こういう曲解を許している
「戦争させない1000人委員会」とはどういう組織だ?
 また「例外的なものとして自衛権を行使し得るということだ」と
曲解しながら51条を引き合いに出したにも関わらず他者に対しては
書いてあるから使っていいというのはとんでもない勘違いだろう
」と述べているが、これは明らかな自己矛盾だ。「自衛権は(国連
憲章51条に)書いてあるから例外的なものとして行使し得るというこ
とだ」と自ら主張しながら「書いてあるから使っていいというのは
とんでもない勘違いだろう」と支離滅裂だ。これが東京新聞の論説委
員の言辞か?
平和主義者が、このレベルでは論外というほかないし、政府レベルの
「集団的自衛権」容認論者たちが、こんな幼稚な論法を展開するはず
がないではないか。

次に国連憲章第51条を全文転記した。どこに例外を暗示する文言
があるのか。
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃
発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持
に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権
を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった
措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、
この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または
回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権
能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない


 半田氏の国連憲章第51条に対する歪曲とも言うべき言説から
「戦争させない1000人委員会」に対して当方は懐疑的になってきた。

次の「1.集団的自衛権の行使がなぜ問題か
自衛権発動の3要件(防衛出動3要件)は昭和60年衆議院で森清
議員の質問主意書に対する政府答弁書で
 「日本国憲法第9条の下において認められる自衛権の発動として
の武力の行使については、政府は、従来から、
1.わが国に対する急迫不正の侵害があること
2.これを排除するために他の適当な手段がないこと
3.必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
」ということで
半田氏の言うとおりだが、閣議決定については、身内での話し
ということを考慮しても端折りすぎであろう。いわく「・・・・
閣議決定された内容を見ると、密接な関係にある他国に対する
攻撃があった場合、我が国の存立が危うくなり、国民の生命・自由
幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、
つまり、自国の攻撃ではなく他国の攻撃によって戦争ができる
と言っている
」「・・・・危険があること、つまり・・・・」ではない。
非常に粗雑で乱暴な話し方だ。講演を文書化して他に公開する
のであれば、このような端折り方を是とすべきではなかろう。
「自国の攻撃ではなく他国の攻撃によって戦争ができると言っている」
と文脈の最後に言ってしまっては、この言葉のみが強調されて
正確さを欠き、誤解を招きやすい。
閣議決定を読む限り、仔細に、しかも注意深く懇切丁寧
に記述している。

以下に一部を転記する。
3 憲法第9条の下で許容される自衛の措置
 ・・・・・ こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして
慎重に検討した結果、我が国に対する武力攻撃が発生した場合の
みならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発
生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及
び幸福求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合におい
て、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他
に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使すること
は、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置
として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに
至った


 この記述の中で踏まえるところは「他国に対する武力攻撃が
発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、
自由及び幸福求の権利が根底から覆される明白な危険がある
場合において・・・・」の「これにより」をはずしてしまって
話をするのはいかがなものか。

 さらに次の「今まで集団的自衛権が行使されたのは14例ある
以下の記述は何か? 
一つはアフリカ諸国の植民地が独立する際にイギリスが(
集団的自衛権を)行使した
」この部分などは講演を文書化
してPDFで公開するならば注釈を付けるべき。これではどこの
国に対して集団的自衛権を行使したか不明で不親切だ。当方が
ネットで調べた限り、イギリスの植民地が独立する時に集団的
自衛権を発動した記録は探せなかった。イギリスが唯一、他国と
共同で戦ったのは第二次中東戦争であるスエズ動乱だが、半田氏
は、これを集団的自衛権の発動と言いたいのか?エジプトによる
スエズ運河国有化を巡ってイギリスがフランス、イスラエルと
共同して戦ったが、これは集団的自衛権の発動ではなくイギリ
ス、フランス、イスラエルによる侵略的行為だ。これは米国を
中心とした国連の反対によって、イギリス、フランス、イス
ラエルはスエズ運河から撤退することになり、結局、エジプト
のスエズ運河の国有化は成し遂げられた。もし半田氏が、こ
の第二次中東戦争をイギリスによる集団的自衛権の発動と言う
のなら、明らかなすり替えだ。平和主義者ならもっと厳密で懇
切丁寧な説明を心がけるべきではないか。

 さらにもう一つ付け加えておくが、半田氏が唱える集団的自
衛権の行使が、悉く失敗に終わり「今に至るまで泥沼の状態が
続いている。これが集団的自衛権行使のなれの果てだ
」として
いるが、どうしてこうも一部のみを捉えて強調するのか?これ
が平和主義者の常套手段なのか?これでは平和主義者「戦争を
させない1000人委員会」は傲慢無礼の謗りを免れない。なぜか
分かるか?半田氏は集団的自衛権で成功しているNATOを、なぜ
取り上げないのか?東西冷戦時代にドイツがNATOに加盟して、
ソ連を牽制し、辛うじて第三次世界大戦勃発の危機を乗り越
えることができたという事実をなぜ隠す?

 次はNATOに関するウィキペディアの一部を転記した。
フランスもドイツ再軍備を認め、ドイツ連邦軍が1955年11月
12日に誕生し、西ドイツはNATOに加盟した。
冷戦中[編集]
・・・・西欧諸国は米国の強い影響下に置かれることとなったが、
それは西欧諸国の望んだことでもあった。植民地経済の喪失に
より、一国ずつの力が弱くなった西欧諸国は、米国の強大な軍
事力と核の抑止力の庇護の下、安定した経済成長を遂げる道を
選んだわけである。東側との直接戦争に向け、米国によって核
兵器搭載可能の中距離弾道ミサイルが西欧諸国に配備され、米
国製兵器が各国に供給された(ニュークリア・シェアリング)。
途中、アメリカやイギリスと外交歩調がずれ、独自戦略の路線
に移ったフランスは1966年に軍事機構から離脱、そのため本部
がパリからベルギーのブリュッセルに移転した。一方、戦闘機
などの航空兵器分野では、開発費増大も伴って、欧州各国が共
同で開発することが増えたが、これもNATO同盟の枠組みが役立
ったことは言うまでもない。航空製造企業エアバス誕生も、
NATOの枠組みで西欧の一員となった西ドイツとフランスの蜜月
関係が生んだものと言える。
西欧は米国の庇護を利用する事によって、東欧の軍事的な脅威
から国を守ることに成功し、「冷戦」の名の通り、欧州を舞台
とした三度目の大戦は阻止された。つまり、NATOは冷戦期間中
を通じ、実戦を経験することはなかった


しかし、NATOは、その後、コソボ等の域外の戦闘に参加してい
くが、地球の裏側まではNATO軍を動かしてはいない。例えばフ
ォークランド紛争の時はイギリスは単独でアルゼンチンと戦っ
ている。イギリスの軍事同盟軍であるNATO軍は動いていないの
だ。このようにNATOによる集団的自衛権は、概ね成功している
と言っても過言ではあるまい。

これで半田氏をはじめ平和主義者か唱える集団的自衛権行使の
性悪説は崩れたことになるが、如何か?

次は「2.ウソとインチキに塗り固められた閣議決定
半田氏は「7月1日の安倍首相の記者会見ではウソが満載され
た」と述べ、まずリビア内戦時にアメリカ政府が民間機をチャ
ーターして日本人を含む複数の外国人を救出したことに触れた
後、「パネルは朝鮮半島をモデルにしているが、韓国には3万
3千名の日本人が住んでいる。これらの日本人が有事の際にど
うなるのかということだ。まず、有事の際には外務省が退避
勧告を出し、母子は最初に帰国するので、取り残されるという
ことは考えにくい
」何を暢気なことを言うのか。
戦争が定石どおりにいくとは限るまい。いきなりミサイルが
飛んできてソウルが火の海になったらどうする。そうなれば
3万3千人の邦人を短時間で救出するのは、ほとんど不可能だ
ろう。在留邦人は難民化して逃げ惑い、相当数が犠牲になる
可能性もある。辛うじて救出された邦人が1割でも3000人。
これも輸送艦一隻で救出が可能かどうか。

そして、次の言辞もおよそ論説委員の発言ではない。
「『邦人輸送中の米輸送艦の防護』では、今まで
アメリカがこのような事態で日本人を運んでくれたことがある
のか、という実績が重要になる
」などと述べているが、「日本
人を」と少ない事例を挙げてなんになる。米軍が「米国民以外
を救出した」例がたくさんあるのに、それを取り上げないで、ど
うする。たとえば当方の目に残っている南ベトナム崩壊寸前の
ダナン米空軍基地に難民と化したベトナム人が米軍輸送機に殺
到し、米軍機が彼らを乗せて離陸した映像は記憶に焼きついて
いる。作戦が撤退に変わった時、米軍はベトナム難民を見捨て
なかったのだ。また現在のイラクでも「イスラム国」のテロ集
団の迫害を逃れて孤立した少数民族のために支援物資や救出作
線を展開している。講演を文書化するならば、まず「アメリカ
は『自国民の生命・財産を守る責任を持つのであり、責任を取
らない、アメリカ軍の行動を制約するようなことは断る」と明
言したというアメリカのどのレベルのいつの、どのような場で
の発言か注釈すべきだ。とにかく大雑把過ぎる。平和主義者だ
ったら懇切丁寧に、噛み砕くように一般市民に訴えるべきだ。
これで理解しろというやり方は傲慢に過ぎる。
 続けていわく「だから、記者会見のイラストのようなことは
ありえない。アメリカの輸送艦に日本の母子が乗っていて、そ
れを日本の護衛艦が防護できるくらいなら、なぜ最初から日本
の護衛艦に乗ってこないのか。なぜ、わざわざアメリカの船に
乗せて自衛隊が守るという手間をかけるのかといえば、こうし
なければ集団的自衛権にならないからだ
」ほとんど
浅慮というほかない。この程度の滑稽な論法が平然とまかり
通る「戦争させない1000人委員会」のレベルの低さは眼を覆
うばかりだ。
 当方は軍事評論家でも学者でもないが、「アメリカは『自
国民の生命・財産を守る責任を持つのであり、責任を取らな
い、アメリカ軍の行動を制約するようなことは断る』」と、ア
メリカのどのレベルの人間が発言したか分からないが、軍事
作戦を展開中に、軍事訓練を受けていない者が圧倒的に多い
民間人を救出するのは、より困難を伴うだけでなく自軍を危
機に陥れる可能性もある。また氏もリビア内戦の時の救出に危
険を避けるために民間機を使ったと述べているように、戦場
から軍用ヘリコプターで飛び立てば狙われるに決まっている。
これに搭乗している救助された民間人が米国国民の場合、軍
用ヘリが撃墜されても国際世論の同情を得るだけだろうが、
救助しようとした民間人が他国民だった場合は違った展開に
なるだろう。米国は国際世論の批判に晒されることになる。
従って「他国民の責任は取らない」ではなく「取れない」のだ。
しかも、それは「救出作戦」ではなく、少なくとも敵軍の侵
攻阻止行動中だったら尚更だろう。ただ戦争となれば、あら
ゆる状況を想定せざるを得まい。急迫した状況の中で3万3千
人を救出するのは想像を絶するような困難を伴う。ほとんど
不可能だ。自衛隊機や自衛隊の輸送艦が邦人救出のため韓国
に上陸なり接岸することを韓国が拒否することも考えられる。
許可してくれたとしても自衛隊機が朝鮮半島に侵入するや北
朝鮮は敵対行動と看做して日本を攻撃してくるに違いない。
従って急迫した事態の中で、韓国が自衛隊による邦人の救出
を拒否した場合、日本政府の要請によって米軍が「救出作戦」
を取り韓国国内で邦人を救出した後、韓国の領海を出るまで
は「邦人輸送中の米輸送艦の防護」は、考えうる状況の一つと
して考慮しておく必要があるのだ。
 さらに「武力攻撃を受けている米艦艇の防護」についての
比喩は、あまりにも拙劣に過ぎる。半田氏のたとえ話は集団
的自衛権の本質を理解していない証だ。半田氏は中国の六場
戦争計画を知らないから、そんな軽口が叩ける。もう少し勉
強して講演をやるべきではないのか。
半田氏いわく「友達が殴られているのに助けないのかという
人もいるが、国際政治的に言えばなぜ友達が殴られているの
か、殴りかかっている人に対してひどいことをしたのではな
いか
」この比喩が実に下劣で笑止千万。限定容認とは
相手が難癖をつけて殴りかかっているのが明白だから、共同
して、その乱暴をやめさせようという行為で、手助けしなけ
れば、こちらの家庭も破壊される危険があるからだ。

 ※駄文しか書けないこともあって、ここで7000字をこえて
しまった。申し訳ないが割愛します。









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