映画「９デイズ」

諜報員で黒人と白人のコンビといえば、エディ・マーフィ主演の「アイ・スパイ」が思い浮かびます。
黒人が素人で、しかもマシンガントークの持ち主というところも似ていますが、こちらは白人の相棒の方が存在感バツグン。
そんな本日の映画は、2002年作の「９デイズ」

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ニュージャージー州に暮らすジェイク・フェイズは、ストリートチェスとチケットの違法転売でその日暮らしをする道楽者。恋人のジュリーにも愛想を尽かされてしまう。
そのジェイクは大金欲しさに、生き別れの双子の兄ケヴィンの代役として、CIAの極秘任務に協力することに。兄は美術商ターナーを装って、ロシアのマフィア、ヴァスからケース入りの核爆弾を購入する囮捜査中に、爆弾を狙う国際テロリスト、ドラガン一派に暗殺されたのだった。取引の日まで、わずか九日間。その日数で、かつて兄のパートナーだった老練な諜報員オークスから、徹底的なスパイ教育を受ける。
ジェイクは美術商になりすまし、取引に成功するかにみえた。が、ドラガン一派によって爆弾を奪われ、ジェイクの恋人ジュリーを人質に、起爆装置のロックの解除を迫られる。爆弾は合衆国の中心地、ニューヨークの駅にしかけられていた…。

紳士然とした兄を演じるジェイクが、本性を出し始めるところ。そして、土壇場のオークスとの掛け合いがおもしろい。007ネタなど笑えますね。
オークスの上司がいっけん含みがあるように見せていますが、それほどひねりがあるわけでもない。
アクションシーンは、かなりハラハラさせられますが。
爆弾が爆発コンマ数秒前で停止する展開は、この手のお約束なんですが、よくある赤か青かのコードを切る爆弾はもう時代遅れ？

ラストシーンはハッピーエンドなんですが、オークスの言う台詞があるシーンが気が利いてますね。
古都プラハの田園地帯を舞台にえらんだアクションシーンもなかなか派手。市街地で銃撃・爆発のカーチェイスとはまた一味違います。
ただ、「人類滅亡のタイムリミットまで、あと９日間」という触れ込みは、すこし大げさな気がしますね。狙われたのは、あくまでアメリカの一都市だけ。そして、主人公に緊張感がないので、世界的規模な危機感が感じられません。


監督は、「評決のとき」のジョエル・シューマカー。
主演は、お調子者ジェイクと生真面目なケヴィンとを演じ分けたクリス・ロック。そして、「羊たちの沈黙」のレクター博士でおなじみ名優アンソニー・ホプキンス。「マスク・オブ・ゾロ」でも、やんちゃな若造を導く熟年を演じました。彼を観るための映画と言ってもいいかも。


（〇九年七月二十九日）

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