よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

眼視観望の記録001(上弦の月)

2023-04-30 07:00:00 | 太陽系内
 

4月28日夜、晴れ、ベランダ観測所

上弦の月
 


 
 
Mak127+40mmアイピース+AZ-GTi
スマホアダプターを使ってのiPhone7でのコリメート撮影。
 
 
本日は上弦の月。Mak127とNeptune-CⅡでも、画角的に月は撮れると考え、先づはシリウスで1スターアライメント。
アマゾンで買った安物・・・もといリーズナブルなレッドドットファインダー・・・明るすぎる・・・40mmアイピースでも導入難しい・・・なんとかクリアー。
次は月・・・入らない・・・40mmで・・・月入らない!
天頂近くの月入れるの至難のわざ。
ええい!アイピース外すと、月の姿。SynScanProのカーソルを操作して月を中心に、40mmアイピースはめて見ると、中心に月がいた。ここまで30分以上かかった。疲れてコリメート撮影で済ます。
 
館長に撮影した上弦の月を見せると、「上手に撮れたね。クレーターもしっかり写っているね。今までで一番良いよ。」・・・複雑な気分。
 
(今日の覚書)
①一番短い状態のAZ-GTiと三脚にMak127を乗せると、不安定。風が吹かなくとも倒れそう。AZ-GTiにMak127載せる時は、重し用意。
②半月については弦の部分に目がいきがち、弧の周辺も考慮してピントを合わせる。
 
(用語)
・Mak127:SkyWatcher社のマクストフカセグレン式望遠鏡。口径D127mm、焦点距離Fl1500mm、F値11.8。
・40mmアイピース:SkyWatcher社製、在庫限り特価品0.15諭吉。これをMak127に付けると、倍率37.5倍で視野が広く、導入が楽になる。初心者の強力アイテム。と今日まで思っていた。自信無くしました。
 
参考資料
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

電視観望の覚書006(DSIA、Deepsky annotation、α,δ grid)

2023-04-29 07:00:00 | 覚書・機材
4月28日夜、薄曇りのち晴れ、メダカ部屋観測所
 
FMA135+Neptune-CⅡ+UV IRカットフィルター+Virtuoso-GTi
+(10年程前に自作したCPU i5を搭載したデスクトップパソコン)
 
内容
①SynSanPro、SharpCapPro、Astapによるプレートソルビング、導入補正の動作チェック。
②SharpCap4.0(Astap連携)のDSIA(ディープスカイ・イメージ・アノテーション)の動作チェック。
③AstapによるDeepsky annotationとα,δ grid表示の動作チェック。
 
結果
①なんとも簡単にプレートソルビングは動作してしまった。パソコンを変えて、ネットで様々な人が発信してくれた通りにSynScanPro、AscomPlatform、SynScanAscomDriver、SharpCap、Astapをインストールしてマニュアル通りの設定を行っただけ。
ただ、プレートソルビングによる導入補正は、『後ちょっと、この経緯台はそこまでの性能が無いから、あとは手動で頑張れ』のような英文を表示してくる。よしやってやる!SharpCapで、レクチルを表示させ、矢印キーをチョンチョンチョンと押す。レクチルのど真ん中。伊達に手動導入5ヶ月もやってないぞ!・・・今後も動作チェックを継続。
なお、露出時間により、見える星数が変化し、プレートソルブにかかる時間が変化する。今回は8秒露出で実施した。今後も継続して動作確認が必要。
 
②一番ほしいのはこのDSIA(ディープスカイ・イメージ・アノテーション)機能。銀河などの同定が楽になる。これもあっさり動作した。次の例は、M13ヘラクレス座大球状星団の取り直し画像。(iPadmini6でパソコン画面撮影、以下の画像も同様)
 
 
M13は、約6等星級。暗い夜空なら見れますな。

 
手順は以下の通り。(最初はりょうけん座M3球状星団でテスト。ピント甘し)
M3球状星団を導入後SharpCapProでライブスタックに入る。『ツール』→『DSIA』をクリック。
 
 
次のような表示が出るので、画面上でダブルクリック。Astapが呼び出され、プレートソルビングが始まる。
 
 
プレートソルブ完了後、天体情報が画面に表示される。
 
 
表示倍率を変えると、他の天体についても表示される。
 
 
なんとも簡単。便利。一覧表もでる。しかしファイルとしては保存されない。ファイルとして保在するには、サブウィンドーのDeep Sky Annotation Resultsの右下のSave Image With Annotationをクリックする。(5月9日修正)
 
 
これで銀河の同定はかどる。
 
③最後は、Deepsky annotationとα、δ grid 表示。RAW16モードで記録したFITSファイルをAstapに読み込み、プレートソルブ後、簡単に表示された。
 
 
 
良かった。まだ細かいことは理解できていないが、少し前進。
 
ネットで多くの情報を発信してくれている人たちすべてに感謝。
 
 
用語
①SharpCap:CMOSカメラ等と接続して、天体を表示し、画像を撮るためのソフト。強力なライブスッタ機能を搭載しており、安価な電視観望のための標準ツールとなっている。Proは有料(1年12ポンド)。
 
②Astap=Astrometric Stacking Program and fits viewer:天体画像を重ね合わせ(スタッキング)保存する機能の他、天体観測での画像標準形式のFITSファイルの閲覧他の機能を持つ。また、プレートソルビング機能を持ち、SharpCapやAZ-GTi等を制御するSynScanPro等のソフトと(ASCOM経由)で連携することができる。プレートソルブのためには星のデータベースが必要。大きいデータベースD50は、1Gバイト弱だった。ファイルサイズ小さくて良かった。ASPSは長焦点距離だと30Gバイトにもなる。
 
③α,δ :天体の位置を絶対座標として表す赤道座標で、α(赤経、P.A.、Right Ascension)、δ(赤緯、Decl.= Declination)、従ってα,δ gridとは、赤経線・赤緯線と格子となる。地図の経緯線と同じようなもの。
 
 
参考資料

撮影データ(M13)
2023年4月28日
メダカ部屋観測所
FMA135+Neptune-CⅡ+Virtuoso-GTi+UV IR-CUTフィルター(PlayerOne)
SharpCapPro4.0でライブスタック、Save exactly as seenでPNG保存、FITS保存。
RAW16、Area1600x1200、Offset=20、Gain=300
Exposure=8s×約113枚
ホワイトバランス(AUTO)、ダーク補正(あり)
Astapで、自動色調整、他。
 
 
 



電視観望の記録042(ヘラクレス座 M13球状星団)

2023-04-28 07:00:00 | M天体
4月26日深夜、晴れ
M13ヘラクレス座球状星団
画像①(画像②の中央部分1/10トリミング)
ヘラクレス座M13ヘラクレス座球状星団、浅田さんの本によれば、全天でも最も美しい球状星団、月のない日は肉眼でも見えるという。口径3cmのFMA135+Neptune-CⅡでは、存在確認がやっとできる程度。浅田さんの本のカバー裏を見ると、本の記述の通りの美しいM13の写真が、口径20cmか・・・天文沼に落ちたくなる。『今後の生活考えなさい。』『天体望遠鏡の所為にする前に実力つけなさい。』うう・・・館長の声で空耳が・・・
0と1とは、大きく違う。3分で存在確認できただけで良しとしよう。
 
画像②
 
Astrometry.netでのannotationの結果
 
Astrometry.netでの観測位置情報
 
(覚書)
15秒×20枚のライブスタックを3枚保存したが、ステライメージLiteでは、コンポジットできなかった。中心からずれているのも原因か?
ライブスタック中に、ヒストグラムのMidlevelを下げると、M13の周りの星が小さく写る。次回は可能な限り、長時間のライブスタックで望む。
経緯台では、この程度かもしれない。
 
 
参考資料
4)浅田英夫著「エリア別ガイドマップ 星雲星団ウォッチング」地人書館
 
 
撮影データ画像
2023年4月26日
メダカ部屋観測所
FMA135+Neptune-CⅡ+Virtuoso-GTi+UV IR-CUTフィルター(PlayerOne)
SharpCapPro4.0でライブスタック、Save exactly as seenでPNG保存。
RGB24、Area2712x1538、Offset=20、Gain=300
Exposure=15s×20枚
ホワイトバランス(AUTO)、ダーク補正(あり)
ステライメージLiteで、画像調整
Microsoftフォトで、色・明るさ調整
 
 
 

電視観望の記録041(おとめ座M89楕円銀河、M90渦巻銀河)

2023-04-27 07:00:00 | M天体

おとめ座M89楕円銀河とM90渦巻き銀河

電視観望の記録040の記録画像③の該当箇所1/10トリミング

記録040の画像には、他の銀河も写っているのが気になっていた。中西さんの本と館長ソルビング(館長ご協力に感謝しますm(__)m。)を駆使して、M87とM89は同定できたが、他は・・・今一つわからない。

中西さんの本でもM87周辺は銀河密集地帯との記述がある。マカリのコントアでも多くの銀河らしいものが写っている。

ASTAPのプレートソルブには成功していないし・・・と思っていたが、解決は意外なところからやってきた。

YoutubeでMakoto Sakai高音発声ギタリストさんの「プレートソルビング(PlateSolvinng)インストール方法(AZ-GTi+SharpCap)」を見ていて(何回目かわからないぐらい見ている)、今回は「All Sky Plalate Solver(以下ASPSと略記)」の インストールが気になった。AZ-GTi+SynScanPro+ASCOM+Astapでプレートソルビングできるはずなのに、なぜASPSのインストール?動画では、保存した画像にプレートソルブをかけている場面が紹介されている。AstapのDeepsky annotationと同じ?

(Deepsky、Deep-sky:最近天文関係者に使われだした言葉で、太陽系外の宇宙、銀河系外の宇宙のように使われている言葉。annotation:注釈、注記。2つの単語を続けると、天体画像に、その天体の位置を同定し、星雲や星団・銀河などの情報を付け加えること?となると思っている。)

ASPSを試してみる。動かない。設定から設定アシスタントで、Astrometry.netへ画像がUploadできる。そして、Astrometry.netで、Deepsky annotationがかかりました。

銀河等同定できたが、IC天体入れて銀河等約70個・・・今度は目が痛い。

字が重なって何が何だかわからない。

フル画面あった。字重なってない。保存。

などいつものドタバタを繰り返し銀河の同定終わりました。

元は、2K画像なので、画像アップ後見えそうなものだけ、フルHDで画像アップ。

花子フォトレタッチ3で、文字等記入。

(画像の撮影視野回転による影響で薄い部分ができている。経緯台によるライブスタックでは、時間とともに写らない部分が発生する。その部分が薄く写っている。いつもは回転補正をかけ、トリミングしている。)

ということで、M90もきちんと同定できた。

参考画像(Aptrometry.netで作成したM89周辺のannotation画像の一部)

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参考資料

1)M89楕円銀河- Wikipedia

2)M90渦巻銀河-Wikipedia

3)「プレートソルビング(PlateSolvinng)インストール方法(AZ-GTi+SharpCap)」~Youtube

4)アストロメトリ | 天文学辞典

5)Astrometry.net

6)遠方銀河のアノテーション用ツールを作成しました~ハテナブログ

7)電視観望の記録040(おとめ座M87楕円銀河~おとめ座A電波源) - よしべや自然博物館

8)Astrometric solving - 英語版Wikipedia

9)List of astrometric solvers - 英語版Wikipedia

 

 

 


電視観望の記録040(おとめ座M87楕円銀河~おとめ座A電波源)

2023-04-26 07:00:00 | M天体

4月22日快晴・大星夜 ベランダ観測所

おとめ座M87楕円銀河(電波銀河 おとめ座A電波源)

画像①(元画像②の中心部1/10程度のトリミング)

見た目は丸っこい銀河。巨大な楕円銀河に分類されるらしい。多くの楕円銀河の中心にはブラックホールがあるという。

そういえば、ウルトラマンの故郷になり損ねた銀河? 調べると確かにウルトラマンの故郷の設定がされていたらしいが、台本の誤植で、87が78に!(資料1、2)有名になり損ねた。

と思ったら、昔から、ジェットと呼ばれている銀河からの直線上の光条が出ていて有名だったらしい。FMA135ではもちろん写っていない。

さらに電波望遠鏡を用いた観測でM87方向から強い電波が観測され、その電波源は「電波銀河 おとめ座A」と名付けられた。その天体の故郷。(M87=おとめ座A と同一視する人も多いらしい。)

おとめ座Aは、M87の中心に存在する巨大ブラックホールに起因する。ジェットもこのブラックホールの活動によって起こっている。

そして、天文学者さんたちは、地球上の8つの電波望遠鏡を連携させ、仮想的に地球規模の大きさを持つ イベントホライズンテレスコープ(直訳 事象の地平線望遠鏡)を作り上げ、このブラックホールの写真を撮った。(資料7・8)

M87、ロマンの塊。凄い!

存在確認OK。

画像②

画像③(画像②の写野 Astrometry.netでの画像②のFITSファイル解析結果より)

参考資料

1)ブラックホールあるM87、元々はウルトラマンの故郷?-朝日新聞

2) M78星雲(ウルトラマンシリーズ) - Wikipedia

3)おとめ座-Wikipedia

4)M87 (天体) - Wikipedia

5)M87-天文学辞典

6)電波銀河-Wikipedia

7)史上初、ブラックホールの撮影に成功 ― 地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜む巨大ブラックホールに迫る | 国立天文台(NAOJ)

8) M87とおとめ座銀河団|国立天文台(NAOJ)

9)イベントホライズンテレスコープ-天文学事典

 

撮影データ画像②
2023年4月22日
ベランダ観測所
FMA135+Neptune-CⅡ+AZ-GTi+UV IR-CUTフィルター(PlayerOne)
SharpCapPro4.0でライブスタック、Save exactly as seenでPNG2枚保存。
RGB24、Area2712x1538、Offset=20、Gain=300、Exposure=15s×20枚、25枚
ホワイトバランス(AUTO)、ダーク補正(あり)
ステライメージLiteで、前処理・加算コンポジット・画像調整。
Microsoftフォトで、回転視野調整トリミング・色・明るさ調整。
花子フォトレタッチ3にて、名称等記入。