「ケッ――」と、カリンカは吐き捨てるように言った。「好きにするがいい」
「私達が話していた事は、正しくはないだろうが、間違ってはいないよね」と、キキウが言った。
「さあ、そんな古い事は忘れてしまったよ」カリンカは、とぼけるように言った。「自分の体がどこにあるかもわからなかったなんて、とんだ失敗をしたもんだよ」
「おまえが本当の事を話してくれれば、腕は返すよ」と、キキウが腕を持ちながら言った。「でなければ、モリルを蘇らせるために使わせてもらう」
「信じちゃいけないよ」と、カリンカは叶方に言った。「こいつらは嘘つきだ。生きている扉を探し出すために、京卦をもう一度地獄に落とそうとしている」
「仲間達をどこにやったんだ」キキウがカリンカに顔を近づけた。「命まで取っていないのはわかっているんだ。彼らをどこにやった……」
「さあね。言うわけがないだろう――」と、カリンカが言葉を飲んだ。包丁を持ったサユラが、テーブルの上に置かれたカリンカの右腕を見下ろしていた。
「――おまえ、なにをしてるんだ」
「おまえが真実を話さないなら、やむを得ないよ」と、キキウが首を振った。「誰も傷つけたくはないが、仕方がない」
サユラは、振り返ったキキウの顔を見ると、意を決したようにうなずいた。
「仕方がないのよ。あなたが素直になれないなら」
「やめろ!」
カリンカが叫ぶのと、青騎士の剣が二人を薙ぎ払い、ひと太刀で胴を断ち切ったのとは、ほとんど同時だった。
「私達が話していた事は、正しくはないだろうが、間違ってはいないよね」と、キキウが言った。
「さあ、そんな古い事は忘れてしまったよ」カリンカは、とぼけるように言った。「自分の体がどこにあるかもわからなかったなんて、とんだ失敗をしたもんだよ」
「おまえが本当の事を話してくれれば、腕は返すよ」と、キキウが腕を持ちながら言った。「でなければ、モリルを蘇らせるために使わせてもらう」
「信じちゃいけないよ」と、カリンカは叶方に言った。「こいつらは嘘つきだ。生きている扉を探し出すために、京卦をもう一度地獄に落とそうとしている」
「仲間達をどこにやったんだ」キキウがカリンカに顔を近づけた。「命まで取っていないのはわかっているんだ。彼らをどこにやった……」
「さあね。言うわけがないだろう――」と、カリンカが言葉を飲んだ。包丁を持ったサユラが、テーブルの上に置かれたカリンカの右腕を見下ろしていた。
「――おまえ、なにをしてるんだ」
「おまえが真実を話さないなら、やむを得ないよ」と、キキウが首を振った。「誰も傷つけたくはないが、仕方がない」
サユラは、振り返ったキキウの顔を見ると、意を決したようにうなずいた。
「仕方がないのよ。あなたが素直になれないなら」
「やめろ!」
カリンカが叫ぶのと、青騎士の剣が二人を薙ぎ払い、ひと太刀で胴を断ち切ったのとは、ほとんど同時だった。