ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

就学の記録 その4 学校見学2日目

2016年03月04日 | 就学の記録
これは18年前、由紀子が保育園の年長さんの頃に
小学校入学に向けて私が行動した時の記録です。
あくまでも由紀子の母として
見たり、考え、感じたことを書いています。
その事をご理解の上お読みください!



前日と同じ2年生の普通学級を
見学させていただきました。

・・・・
見学2日目。

学校に行くとK君のクラスの子どもたちは運動場にいた。
K君の姿を探しているとクラスの子が
「おばちゃん、また来たと?」と集まってきた。
「K君は?」と聞くと、わいわいと居場所を教えてくれた。
K君はタイヤの所で遊んでいた。
私の姿を見た女の子たちが急にK君のそばに行き、
手を引いて階段の所に座って遊び始めた。
ちらちらと私の方を見る女の子たちの姿が気になる。
「私はK君に優しくしているよ」そう言いたげな目。
私はそこを離れて教室へ行った。

 
算数の時間。
K君は小さな黒板をもらって好きなことを書きながら授業を受けていた。
授業の流れに中で、数字を書くところでは、
K君が前に出て1から10まで黒板に書いていた。
上手に数字が書けていた。
みんなに誉めてもらってご機嫌だった。

相変わらずお世話係の子は自分のこととK君のことで忙しそう。
さっき見た他の女の子たちの視線のことを思い出して、
私が居るからこんなに世話をやくのだろうか・・・・?
それともいつものことだろうか・・?

素直にみんながK君に優しくしてくれているとおもえない自分が少し嫌になる。

・・・・・



私は周りの子どもたちの様子が
気になって仕方がありませんでした。

あの時は、子どもたちに問題があるように感じたのですが
あれは仕方がない事だったと今は思っています。

障害のある人には優しくしましょう!
手を貸してあげましょう!

大人は子どもたちにそう教えますよね?!

でも、その優しさというのが
どういう行為なのかという事は
教えないことが多いです。

大人も障害者に慣れていないと
優しさの意味なんて考えないし、
接し方も分からないと思うんです。


だから、子どもたちは
お世話をすることが優しさだと思ってしまいます。

障害のある人のお世話をすることは美徳であって
優しくお世話ができる人がいい人!


大人がそう評価する事を感じ取っているんです。

特に、私がK君の様子を見に来ているのですから
子どもたちが張り切るのは仕方がなかったと思います。


でも・・・

本当の優しさとは
お世話をすることではなく
仲間として見守り、困っている時に
手を差し伸べてあげることなのだと


私は、その後
由紀子の周りの子どもたちに
教えてもらいました。

障害のある子と一緒に教室にいることで
子どもたちはちゃんと接し方を学習するんです。

子どもって本当にすごいと思います。




この日の見学では
別の子どもさんの事で
考えさせられる場面を見ました。

・・・・
K君は授業の邪魔をすることはほとんどなかった。
おとなしく席についていた。

K君は静かだったが、
その代わりに多動と思われる男の子が一人そのクラスに居た。

「T君」・・・多動で、授業に集中できず、
回りの子どもたちにちょっかいを出しては反撃を食らって泣き出す。
先生は「嘘泣きはやめなさい!」と叱る。

すると攻撃的な言葉を口にする。
「ころすぞ!」「しね!」
2年生の子どもが口にするのかと思うような言葉を繰り返していた。

K君のように特別な課題を与えられることもなく
退屈そうに時間をつぶしていた。

「注意欠乏多動症候群」(ADHD)


最近テレビで見た障害なのかもしれない思った。
先生もどうしたらいいのか悩んでいらっしゃると言われた。
K君よりもついつい目がそちらに向いてしまう。

・・・・・




次は体育の時間を見学しました。

・・・・・
K君のお母さんに聞いたら体育が一番うまくいっていると言われていました。

体育の時間は途中、女の子と男の子が分けて班になったりするので
お世話係の女の子と離れたときの姿が見られた。

少し戸惑ったような感じもしたが、
それなりにみんなの中で体を動かしてがんばっていた。

「2人組に分かれて」と先生が言ったとき
私の方がドキドキしてしまった。
誰もK君に声をかけなかったらどうするだろう・・・・

しばらくはだれもK君と組もうとしなかった。
でも、1人の男の子が組む相手を見つけられなくてうろうろした後
「K君でもいいか」とつぶやいてK君の手を取った。

よかった!と思ってみていると
向こうの方からT君が

「こんなのばかばかしくてやっていられるか!!」

と怒鳴りながらやってきた。
誰も組んでくれなかったらしい。

かわいそうに思っていたら先生がやってきて、
「先生と組もう」と言ってつれていった。
一安心だが、やはり彼の事が気になって仕方がなかった。



お母さんが言われるように
国語の時間よりも算数の時間よりも
体育の時間がK君は楽しそうだった。
・・・・・・



T君の事は、前の見学では全然気づかなかったので
前日は欠席だったのかもしれません。


「注意欠乏多動症候群」(ADHD)
今でこそ知られていますが
その頃は、私も初めてテレビで知ったくらいの時代です。

もしかしたらT君は
発達に問題があったのかもしれませんが
検査などは受けていなかったと思います。


自閉症という障害名が付いているK君は
出来ないことがあっても許されるのに

T君は普通の子どもと同じ行動を要求され
違う行動をとると、仲間外れにされてしまう。

彼の暴言は理解されないことで起きた
二次障害だったのかもしれないと思いました。


あっ!
T君のことを発達障害だと
決めつけた書き方をしてしまいましたが
本当はどうだったのか・・・
解りません!!
(;^_^A アセアセ・・・




2日間の見学を終わっての感想です。

・・・・
※感想

普通学級でうまくやっていけるかどうかは
特殊学級と同じで担任の先生の力が大きいと思った。
それとクラスの子どもたち……。

K君は普通学級にいる事にストレスは感じていないよう見えた。
回りの子どもたちに支えてもらって毎日を送っている。
今の由紀子の保育園生活と同じだ。
でも、保育園と違うのは授業があるという事。
授業中の45分という時間の長さが私を不安にさせる。

無難に過ごせる事で満足していいのだろうか、
もっと有意義な時間があるのではないか……。
由紀子に必要なのは、勉強よりも訓練と、ずっと思ってきた。
普通学級では訓練を受けられない。

でも、お友達から受ける刺激の事を考えると
クラスの仲間という意識は、
ずっと同じ教室に居る事で育っていくような気もする。

先輩ママ友たちが、普通学級にこだわるのはなぜだろう。

普通学級には私が見た事以外にもっと大切な何かがあるのだろうか。

見学に行く前よりも迷いは大きくなったような気がする。

・・・・・・





普通学級の担任の先生はベテランの先生でしたが
これが若い先生だったらどうだったのだろう?

あの頃、それを心配していたのですが・・・・

由紀子が小学校に入ってから解りましたが
普通学級に障がい児を入れるときは
学年主任とかベテランの先生が担任をしていました。

当たり前のことですが
学校もちゃんと考えてくれます!(笑)


18年前には障害児と言えば
身体障害・知的障害・自閉症・ダウン症
それくらいの区別しかありませんでした。
「発達障害」その言葉がチラホラと聞かれるようになった
そんな時代でした。


今は発達障害への理解も進みつつあるので
学校での対応はもっとよくなっていると思います。



まだまだ記録は残っています。
私って、記録魔なんだと、再確認です!(笑)

・・・つづく・・・
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4 コメント

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お世話になりまた! ()
2016-03-05 16:03:27
由紀子さんの笑顔と、どうしてるかな?という思いで久しぶりにブログを拝見させていただきました。3月2日のブログ、「誰のこと?」って私のことではないですか!
なかなかお会いするチャンスがなく、とうとうご挨拶さえできないまま退職してしまいました。私も大村なので例の待ち合わせ場所の近くを通るときにはつい車いないかなーと見てしまいます。
由紀子さん、目の調子が良くなってからにこにこと活動に参加されるようになり、本当によかったです。きっちりと体操したり、いそいそとトイレに向かわれる後姿がかわいくて、「ゆきちゃん、かわいい!」と人気も上々でしたよ!!
あれもできるんじゃ?これもできるんじゃ?とその可能性に支援する側も楽しくなってきていたので退職はとても寂しくかったです。きっとまたお会いすることもあると思います。時々このブログで由紀子さん近況を読ませてくださいね。
本当にお世話になりました。
返信する
Mさんへ (tomi)
2016-03-05 16:33:30
あぁ~~~!Mさ~ん!!
きっとブログを覗いてくれると思って
メッセージを書いておきました。
コメントを頂けて、よかった!!

退職されたと聞いて
本当にびっくりしたんですよ!

いつも由紀子の事を
楽しそうに話してくれたので
お会いするのが楽しみでした。

由紀子は何も言いませんが
どうして居ないんだろう?と
思っているはずです。

時々、ブログに様子を
見に来てやってくださいね。

そして、どこかで逢ったら
声を掛けてください!!

本当にお世話になりました。
ありがとうございました!!
m(_ _ )m
返信する
お返事、早っ! (M)
2016-03-05 17:33:02
こんなにすぐお返事がくるとは思ってなかったのでビックリ!
でも連絡が出来てよかったです。
たまにイベントとかあったらボランティアによんでっていってあるので、突然デイに出没するかもしれません(笑)
またお会いしましょうね!!
返信する
Mさんへ (tomi)
2016-03-06 14:05:00
イベントの時にはぜひいらしてくださいね。
みんな待っていると思います。

私も会える日を楽しみにしています。
返信する

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