「Sunの物語」で今この「台風の目」を挙げるとすれば、それは弱冠18歳にしてSFFのエースとなった、「戦いの女神カーリー」ことリタ-メイでしょう。
彼女の名を一躍高めたのは、チベット蜂起軍の半年以上に渡る健闘と、その「最期の一発」がもたらした革命機運の高まりにより、ビジェイを伴ってメーヴェでの生還を果たしたリタメイには世界中から注目が集まります。
そんな彼女の戦いは「ライブ動画」として拡散し、その中でも最も強く人々の心を掴んだのは、蜂起の最初に見せた「#神駆」の活躍でした。
これにより世界最悪の労働改造所だったウラン鉱山の司令部は制圧され、彼女はそれを合気道の奥義によって成し遂げました。
「合気道の奥義」とは即ち体の回転力を極めるコトで、フィギュア-スケートのジャンプのような技で敵の腕をキメます。
リタメイの特技はその小柄さを活かした「モグリ込み」で、彼女は高速の膝行(ひざ立ちで回転しながら進む)によって敵の視界から消えつつ腕を掴んでキメて行きます。
警備兵たちは目にも止まらぬ速技で腕を捻り上げられ、その反動を活かした逆回転の投げで組み伏せられて、そのまま捻られた腕に体重を乗せられ折られます。
このリタが得意とする「二の型」による衝撃と痛みは尋常ではなく、声すら上げられない程の痛みによって気絶させられます。
このリタメイの活躍によって、蜂起軍は敵の命を奪うコトなしに緒戦で勝利を得ます。
その後、「投げ縄の勝利」で敵の装甲ヘリを全て不時着させた時も死者は出さず、その動画も拡散してリタは大いに喝采を浴びました。
そんなリタのダラムサラーへの生還は大いにチベット人達の志気を高め、彼女がスマホで撮り溜めたウラン鉱山の動画も大いに注目を集めます。
そこでは熱心に合気道の修行に励む、捕虜となった中国兵達が映されており、中でも特に女性兵士たちの上達振りが光っていました。
彼女達はリタのインタビューにも真摯に答え、それまで虐げて来たチベット人やウイグル人に対して真摯に謝罪し、彼等と運命を供にする覚悟を訴えます。
この動画は北京で起きていた革命運動に強く影響し、中国では民族間の真の連帯によってこそ民主革命は達成されると、多くの人が信じるように成ります。