今回は詩的なタイトルとは対照的な、過酷な近未来の戦いについて物語ります。
以前にチベット蜂起軍はアメリカの軍事衛星から「兵糧入れ」を受けているとしましたが、蜂起軍が核ミサイル基地を占拠するに至っては、党(ドン)もアメリカの軍事衛星を打ち落とさざるを得なくなります。
この「宇宙戦争」により、実質的にドンは宇宙空間にまで国境を定め、チベット上空の宇宙には中国のキラー衛星がたくさん集められ縄張りを主張します。
国連はこれに文句を付けますが、ロシアや北朝鮮やイランなども宇宙に国境を定め、人類の進歩は大きく後退します。
しかし'50年代のキラー衛星ではまだ核弾道ミサイルを打ち落とすコトは出来ず、ドンは兵糧攻め以上に蜂起軍を刺激する作戦は取れません。
表向きはあくまで対話による和解を求め、核の撃ち合いによる破滅だけは避けようとします。
兵糧を絶たれた蜂起軍はその大半が「腹が減っては戦は出来ない」状態になり、戦意は大幅に失われます。
しかしそれでも多くは死ぬまで戦い抜く決心をしており、ドンの罠が見え透いた和解案などには乗りません。
次回からはこうして開戦から3ヵ月を迎えた戦線について、登場人物たちを通して物語って行きます。