日本に帰って来て、ようやくスマホのシム更新が出来、アプリ版に復帰できました。
なので記念に見出し画像をアップしましたが、今回は特にこのサローヤンの自伝小説には触れません。
強いて関連付けるとしたら、「Sunの物語」で唯一の日本人の登場人物であるアラム(亜良夢)も、サローヤンのような味わい深い少年時代を送ったという点です。
これは「ラブ&ピースの聖者アダム」の孫としてアラムが育ったからで、アダムはベトナム戦争の頃に血迷った米兵達の魔の手から沖縄女性を百人以上も救って聖者と崇められました。
そんなアダムは脱走兵として沖縄の無人島で沖縄女性と暮らし、そこで産まれた子供達の面倒もキチンと見て、孫のアラムは特にアダムのお気に入りでした。
アダムは妹のイブも沖縄に何度も連れて来ており、イブのお気に入りの孫ローラも一緒に来てアラムと幼馴染になりました。
さて、物語の筋は以上で通ったとして、話を一気に「中南海占拠」を行う学生と市民達の間での公開討論会に飛ばします。
これは占拠3日目に開かれ、今後の闘争の方針を定める目的で勿論ローラが主導します。
まずはローラが「何故この革命運動にここまで献身するのか」を語り、それは自分の血筋がクォーターはアメリカ黒人で、3/4がチベット難民だからだと明かします。
ローラはチベット難民を代表して祖国を取り戻す闘争に望むと語り、この21世紀後半にあって未だにチベット高原の殆どが北朝鮮の様に闇に閉ざされているのは、人類にとって恥辱だと訴えます。
中国共産党が何故そうした「秘密」を保持し続けるかは、勿論やましいコトがあるからで、そうした秘密の中核と言える「ウラン鉱山に於ける強制労働」が今回の蜂起で明るみになったコトで、その闘争の「最期の一発」を引き継いで「党」に一矢報いる覚悟を語ります。
アメリカ人留学生でもあるローラの演説は大いに学生達を鼓舞し、もう一人の留学生アラムにも期待が託されます。
それは70年前の「天安門事件」が闇に葬られてしまったのは、三万人超の犠牲になった学生達の中に留学生が含まれていなかったからと言え、もしそこに日本人やアメリカ人の留学生が居たならば、歴史は動いたかと思われるからです。
ローラの次にマイクが渡されたアラムの演説は、観衆の期待に応えるモノではありませんでしたが、彼が沖縄独立を真剣に考えて政治学を学んでおり、沖縄音楽とプログレッシブ-ロックをフュージョンさせた「ニーニーズ」のボーカルであると知り、アラムは三線の弾き語りで「ネーネーズ」の名曲「平和の琉歌」を歌って喝采を浴びます。