前回に、長征のプロデューサーである「富の女神ラクシュミー」の希望を述べましたが、今回はそれをより深く語って行きます。
このコラムに「旧式で搾取的な一次産業」の問題点が10項目にまとめられているので、まずはそれらをザッと紹介します。
1.地球温暖化:工業型畜産は輸送部門全体と同等の温室効果ガスを生んでおり、それを放って置くだけで2050年までに1.5℃上昇してしまう。
2.水質汚染:搾取型畜産では抗生物質やホルモン剤が多用されており、それは糞尿として排出されて河川から畑まで汚染している。
3.森林伐採:家畜プランテーションの増加は世界中での森林伐採の第一要因とされる。
4.陸地の1/4を占有:肉食が増えた食糧生産体系は非常に非効率的で、多くの土地を占有し搾取している。
5.穀物の大量使用:大豆の90%を家畜が消費しており、それが「世界の半分が飢える」原因になっている。
6.大気汚染:PM2.5の放出は工業型畜産がトップで、他にも死亡原因となる大気汚染に最も関与している。
7.土壌劣化:家畜のエサは全て化学肥料の多投によって育てられ、そうした土壌はみんな劣化が著しく、チッソやリンは海洋も汚染している。
8.水の大量使用:1kgの肉を生産するのにかかる水の量はその1万5千倍で、水争いの原因になっている。
9.人獣共通感染症:新しく発生する感染症の3/4は家畜由来で、家畜の健康レベルはどんどん劣化しており、それは人の健康と「ワンヘルス」だとされる。
10.生物多様性の消失:今地球上の動物は36%が人で60%が家畜、野生動物は4%に過ぎず、その割合はますます家畜によって占められて行っている。
今回は解説が長くなったので、「長征による解放」の様相については次回に描きます。