まずローヤに閉じ込められて一番苦労した話からしますと、それは何もない空間に長く放置される事でした。
只ずっと6時間も座らせられた日も10日間の内4日あり、それは霞が関の検察庁で取り調べと判決を待つ間でした。
そこでは毎日、東京、埼玉、千葉、神奈川でタイホされた人達が集められ、男性だけで少なくとも100人は一日に裁かれてました。
タイホされた囚人は、不法逮捕が認められでもしない限りほぼ100%検事に告訴され、判事はそれに従うだけの場所でした。
集められた囚人は10室程の小部屋に閉じ込められ、この部屋はバスの半分程の広さで向かい合わせに座らせられます。
ここでは会話は一切禁止され、ちょっとでも話そうものならば警官に吊るし上げられ、厳しく共犯関係ではないかと問い詰められます。
こんな非人道的な扱いを受けたのは生涯初めてで、中にはニコチンが切れてイライラして警官に抵抗する人も居ましたが、寄ってたかってスマキにされてどこかへ引きずられていきました。 囚人は年齢的に20代くらいの若い人が目立ち、若くしてこんな経験を味わうなんてとても哀れに思いました。
私はお寺で14時間ぶっ通しで座って唱題した経験が30日以上あるので、他の人に比べれば座り続ける事に免疫がありましたが、それでも座禅も組めないようなギュウギュウ詰めの状態で声も出せないというのはコタエました。
私は指と足と骨盤(引き締める)でリズムを取って息だけ出して唱題し、何とか日中のセロトニンレベルを維持できましたが、大抵みんな目をつぶって寝ようとしますがとてもじゃないけど寝られず、頭と体のリズムを崩して夜寝れなくなっていました。
昼間にセロトニンが作られないと、夜にそれがメラトニンに転換される事もなく、10時間近い就寝時間を只悶々と過ごすハメに陥ります。
おそらく獄中で最もつらいのは、自分の人生が無為に過ぎ去っていく感を抱く事かと思え、それを回避する為に何も無い所でもリズム運動を続けられる功夫(ゴンフー)が必要と言えます。