しかしまずはそんなに肩肘を張らず、駆け出しの頃の櫻井よしこさんが書いた「大人たちの失敗」を挙げます。
ここでは彼女がアメリカの大学に留学して苦学し、卒業後は米系新聞社の日本支所で見習いのような仕事をし、生活はギリギリでしたがジャーナリストとして成長できたコトが語られています。
「大人たちの失敗」は子供たちにこうした苦労をさせないで、安易に「お金」ばかりを目標にさせたコトが第一に挙げられています。
この弊害の最たるモノは、ギャンブル中毒者320万人という現状に現れており、それは過度な個人主義のせいで孤独に陥るコトも要因とされています。
他にも「失敗」は、実数にして200万人超のアルコール中毒者や、300万人超の糖尿病患者、1200兆円の国家負債、少子化、もんじゅ... と数多く挙げられます。 こうした失敗に向き合う勇気を持つコトが、「大人」には求められています。
櫻井よしこさんに話を戻しますと、彼女は「左に寄りすぎた大人たち」を批判したので「右の人達」からアイドル並みにモテハヤされ、実際に彼女ほど多くの人の心を掴める「右為」の人材は他に居ないでしょう。
彼女はまた、リチャード・ギアと同じく熱烈なチベット亡命政府の支持者としても知られ、中国の独裁政権を厳しく批判しているので、その点でも「大人」と言えるでしょう。
「失敗を認める勇気」が無いと言えば、中国共産党にはそれを持たないコトが勇気だと勘違いしている節も伺えます。 その最たる「失敗」は毛沢東時代の「大躍進政策」で、およそ4000万人の餓死者を農村部で出し、農民文化を根絶しにしてしまいました。
これについて一番深く綴っている本は「餓鬼 (Hangry Ghost)」で、何度か紹介しましたので解説はネットに譲りますが、私に「need story realy (ジョンレノンの台詞)」という感慨を懐かせ、「Shu-Shanの物語」を書く切っ掛けを与えてくれた本です。
次にストーリー本として、ハリー・ウーの「労改 (ラオカイ)」を挙げます。
これも前に紹介しましたがストーリーをザックリ振り返りますと、大学生の頃に「大躍進政策」を批判した為にハリーは「労働改造所」に15年入れられ、そこは生き延びる為に他人の食糧を強奪するコトにすら、罪悪感懐かせなくする所でした... そこで辛うじて生き延びたハリーは、持ち前の機転を活かし「自己批判の総括」が認められて釈放されます。 更に15年間監視下で生活した後、彼はとうとう「脱中」しアメリカへの亡命を果たします。 そこでハリーは「労改」の内実を世に明かし、更に未だ囚えられている人達の為に活動を起こします。 それはアメリカ人に成り済まして中国入りし「労改」の全体像をレポートしようというモノで、この挑戦は三度目で失敗して捕まります。 ハリーは二度と外に出られないコトを覚悟しますが、彼の著書はアメリカでは有名で、多くのサポーターのお陰でハリーは救出されます。 これにはヒラリー・クリントンも関わり、中国で開かれた「世界女性会議」へ出席する上で、ハリーの出獄を条件にしました。
こうしたストーリーは全て実話で、そのリアルな迫力は虚構のスパイ小説をみんな「子供の本」に思わせる程です。
次に理系の「大人の本」を挙げます。 それは生命科学と医学の最先端についてですが、基礎研究よりも臨床例が圧倒的に先走っている為、一般の医療現場では認知が遅れている「超微量ミネラル」についての本です。
この「超ミネラルがあなたの健康を守る」という本は「kindle プレミアム」で無料ダウンロードでき、これは直ぐに解約しても一月有効なので是非トライしてみて下さい。 本の内容については当初のブログ「有機農業の核心的な価値」に譲らせて貰いますが、健康医学の分野で「至高の領域」に達している本だと思います。
最後に同じく、基礎研究を現場が大きくリードしている「共生微生物学」についての本を紹介します。
一冊を挙げるとすれば「EM環境革命」で、これは数々の現場の「成功と失敗」から学んでいる好著です。
「共生微生物学」というのはまだスタートしたばかりの学問ですが、自然や生体では原初からずっと「共生」は引き継がれています。 それを人間の手で操ろうとすのですからトライ&エラーは当たり前で、一度や二度の失敗で諦めている様では「新しい農業」の道は拓けません。 また、一年や二年で理想的な「発酵合成土」が出来る訳でもありませんが、この本はそうした長年の努力の結晶で、日本がこの道の先頭を走っているコトに誇りを持たせてくれます。