真の動物福祉牧場を目指して

68. 「カッコーの巣の上で」

私が個人的に好きな俳優として、リチャード-ギアと並んでジャック-ニコルソンを前に紹介しました。

彼は軍隊モノでは「冬のカモメ」などを主演しておりますが、これは些細な盗みで営倉に8年もぶち込まれるコトになった若い兵士を護送する物語で、戦争とは全く接点の無い異色作です。

ニコルソン映画はみんな異色作で、彼のデビュー作は「イージー ライダー」です。
これはカルト的な人気を今も持ち続けている60年代モノで、アル中弁護士役のニコルソンはヒッピー達の輪に入って行きますが、レッドネック(田舎の右翼)に殺されてしまいます。

次回作の「ファイブ イージー ピース」では主役に抜擢され、やはり都会からドロップ アウトした青年の放蕩を演じております。
そのシニカルな社会批判は好評を呼び、彼はアカデミー賞を最も多く受けた俳優に成長して行きます。

その重要なステップが「カッコーの巣の上で」で、これは映画史上に燦然と輝くマスターピースと成っております。
物語の舞台は精神病院で、当時はベトナム戦争の影響から最も多くの精神病患者が生まれた時代ともされています。

当時の精神医療は酷いモノで、患者が多くて管理し易くする必要性から、「デンパチ」が日常的に行われていました。
これを受けると患者は大人しくなり、職員の言うコトに反発しなくなります。
しかしそれは反発するだけの知性と気力が奪われるからで、ハッキリ言って「廃人化」に他なりませんでした。
これは是非とも動画で観て頂きたく、私自身もWi-Fiが無いと観れないのですが、手間を掛けても観る価値があります。

実は私の兄も統合失調症で、覚醒剤に手を出したコトから精神病院で暴れてしまい、「デンパチ」を受けて廃人に成ってしまいました。

兄の知性は中学生レベルを出ず、新しいコトに挑戦する気力は全く失われてしまいました。(手も器用に動かせられない)
記憶もだいぶ失われており、「デンパチ」を受けたコトも覚えていません。

これは社会に迷惑を掛けかねない人間を「羊」に変える意図で今でも行われており、私はそれを非常に悲しいコトだと思います。

ニコルソンは最後まで精神病患者の人権の為に戦い続け、廃人にされた時には仲間に殺してくれるように頼んでいました。
この映画は、体制の非人間性を訴える作品として、永遠に価値を持ち続けると思います。

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